インフィニット・ストラトス
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「は、はいっ??」
いきなり大声で名前を呼ばれて思わず声が裏返ってしまった。案の定、周りからはくすくすと笑い声が聞こえてきて、俺はますます落ち着かない気分になる。
別に俺は女子に対する苦手意識はない。ないけど、でも限度ってもんがあんだろ。ラーメン好きだって毎日三食ラーメンだったら三日で飽きるだろ。いやわからんけど。俺そこまでラーメン好きじゃないしな……って、そういう話じゃない。
ともかく、クラスで男は俺だけ。他の生徒二十九名が女子。副担任も女性。担任は……しらないけど、女性らしい。らしいというのは未だに顔を出さないからだ。何してんだか。
「あ、あの、お、大声出しちゃってごめんなさい。お、怒ってる?怒ってるかな?ごめんね、ごめんね!でもね、あのね、自己紹介、『あ』から始まって今『お』の織斑くんなんだよね。だからね、ご、ごめんね?自己紹介してくれるかな?だ、ダメかな?」
気がつくと副担任の山田真耶先生がぺこぺこ頭を下げていた。しかしあんまり頭を何度も下げるので、微妙にサイズのあってなさそうな眼鏡がずり落ちそうになっている。そしてまた俺はどうでもいいところばかり気になっていた。というかこの人は本当に年上なんだろうか。同い年と言われれば受け入れてしまいそうだ。
「いや、あの、そんな謝んなくても……っていうか自己紹介しますから、先生落ち着いて下さい」
「ほ、本当?本当ですか?本当ですね?や、約束ですよ。絶対ですよ!」
かばっと顔を上げ、俺の手を取って熱心に詰め寄る山田先生。……あの、またすごい注目を浴びてるんだが。
しかしまぁ、すると言った以上、男たるもの引くわけにもいかない。それになにより、最初で溝を作ると二度とこの環境には馴染めないとみた。
しっかりと立ち、後ろを振り向く。
(うっ……)
今まで背中に感じていただけの視線が一気に俺に向けられているのを自覚する。なにせさっき薄情にも俺を見捨てた箒でさえ横目でこっちを見ている。
さすがにこんな風に注視されると、いくら女子に苦手意識のない俺だってたじろく。いくらカレー好きだってーーいや、もうその話はいい。
「えー……えっと、織斑咲夜です。よろしく」
儀礼的に頭を下げて、上げる。ーーちょっと待て、なんだその『もっと色々喋ってよ』的な視線は。そして、この『これで終わりじゃないよね?』的な空気はなんだ。
そんな喋ることないぞ。無趣味ってわけじゃないが、別に万人に聞いて欲しいってほどでもないし、だいたい初対面でいきなりそんな趣味の話とかされたら困らないか?俺、いきなり自己紹介でサボテンの飼育と株分けが趣味です!って女子いたら軽く引くぞ。
ちなみに俺の趣味はサボテンの飼育と株分けではない。念のため。
「……」
だらだらと背中に流れる汗を感じる。どうしたら
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