第5話 エローシュ君のライバル?登場です
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「運動会ももうすぐね………」
夏穂ちゃんが自分の卵焼きを食べながら呟きました。
いつも通りの昼休み。
私達は中庭で円になってお弁当を食べていました。
運動会も、もう今週。
お兄ちゃんたちより先にやります。
初めてだし緊張します。
「体育もその行進とかで面倒だよなぁ………何度も繰り返すからやんなるよ」
エローシュ君の言うことも分かります。
何度も行ったり来たり。
私も正直うんざりです。
「それよりエローシュ、二組からこんなものを受け取った…………」
そう言って佐助君が折りたたまれた紙をエローシュ君に渡しました。
一体何だろう………
「はぁ…………懲りない奴だな」
「何よ一体………」
そう言った夏穂ちゃんにエローシュ君は紙を渡しました。
「なるほど…………面倒ね」
「一体何なんですか?」
私は我慢しきれなくなったので聞いてみました。
「ああ、転校してきた二人は知らないよな。真白ちゃんも直接関わって無いから知らないかな?」
そう言って私達に手紙を見せてくれました。
『今回の運動会で決着を付けるぞエローシュ!!勝った方が夏穂さんをいただく!!』
エローシュに対しての果し状でしょうか?
でも、『夏穂さんをいただく』っていうのは…………?
「これを渡してきたのは西條清孝。隣のクラスの金持ちなんだけど、いつの間にか夏穂に惚れたらしくて、何故か俺を目の敵にしてくるんだよ…………」
「エローシュのライバル?」
「俺はそう思ってないんだけど、相手の方は思ってるらしくて…………一回負かせたんだけどしつこくてしつこくて…………」
「夏穂ちゃんは告白されたの?」
真白ちゃん直球です。
「されたけど断ったわよ!!誰があんなキザでドリル男………」
ドリル男?
「だけど玉の輿」
「そんなの関係ないわ!!実際に会ってみれば3人も分かると思うわ。エローシュが可愛いくらいよ」
「俺と比べるなよ!俺が可哀想だろ!」
「否定できない……………」
どれだけ嫌われてるんでしょうか…………
何だか少し可哀想です。
だけど…………
「断ったのにしつこいのはある意味嫌ですね」
「そうよね…………何であんなにしつこいのかしら………」
「夏穂ちゃんって結構モテるよね」
真白ちゃんが不意にそんな事を言いました。
その時、エローシュ君の目が光ったのを私は見逃しませんでした。
「真白ちゃん詳しく教えてくれ!!」
エローシュ君が真白ちゃんに身を乗り出し聞いてきます。
「え、えっとね、今朝も下駄箱に…………」
「言っちゃダメ!雫!!」
「いいこと聞きましたな」
「重用情報………」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ