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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百三十四話 名剣か魔剣か 
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辺りの見極めを諮問委員長にお願いしたいのです」

なるほど、あれか。軍が決めかねている事は既に皆が知っている。
「それは実際に帝国軍の反乱鎮圧に参加するという事かね?」
「そういう方向で進めたいと考えています」
トレルとネグロポンティの遣り取りに皆が顔を見合わせた。

「帝国が嫌がらんかな?」
「うむ、反乱鎮圧に他国の力を借りたいとは思うまい」
ラウドとリウは賛成ではないようだ。もしかするとヴァレンシュタインの現役復帰そのものが反対なのかもしれない。簡単に許せば軍と政府の境界が曖昧になるという意見もマスコミには有るのだ。マクワイヤーが先に兼任は拙いと言ったのもその辺りを考えての事だ。

「イゼルローン要塞の反乱はもはや帝国だけの問題では有りません。イゼルローン国際協力都市が無ければ両国間の協力、交流、通商がストップすると言っても過言ではないのです。その事が同盟市民を酷く不安にさせています。今のままでは首脳会談前となんら状況は変わりません。首脳会談の成果が消えてしまいます」
何人かが呻き声を上げた。トリューニヒトが顔を顰めている。政治家としての実績が否定されかかっているのだ、面白くは無いだろう。グリーンヒルも上手いところを突く。癪ではあるが外交委員長は適任だな。

「外交委員長の言う通りです。同盟市民を落ち着かせるためにも諮問委員長の現役復帰は必要ではないでしょうか。現状では通商委員会は有名無実です、何の意味も無く経済界から叩かれるだけの存在でしかない」
アルドニンの言葉に皆が顔を顰めた。

彼が同盟で最も不幸な政治家と言われている事は皆が知っている。経済界出身の彼の苦境を放置すれば今後経済界から協力を得たいと思っても思うように得られなくなる可能性も有る。帝国との交流が進めば経済界の役割は今まで以上に大きくなるだろう、アルドニンの苦境を無視は出来ない。何らかの救済は必要だ。しかしヴァレンシュタインの現役復帰?

「軍では今後戦争が起きた場合移動要塞を如何使用するか、決まったのかね?」
私が問い掛けるとネグロポンティが首を横に振った。
「いえ、決まっていません。ですから運用実績を確認したいのです。何処まで見極めることが出来るかは分かりませんが固定要塞にするか、移動要塞にするかの判断材料になればと考えています」

「帝国の反乱鎮圧に協力する、それは良いだろう。しかしヴァレンシュタイン委員長を現役復帰させる必要は無いんじゃないか。運用実績の確認なら他の人間でも良いはずだ」
私が指摘するとネグロポンティは“その通りです”と頷いた。

「しかしレベロ委員長、国内対策も含めればヴァレンシュタイン委員長を現役復帰させるのが最善ではありませんか。反乱の鎮圧にはあと三カ月から四カ月はかかるのです。その間、同盟市民を落ち着かせ
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