暁 〜小説投稿サイト〜
NARUTO 桃風伝小話集
その18
[4/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いんじゃない?この子、あんたが育てた事がある子達の中で一番繊細で手間がかかる子だろうしさ」

イノの提案にはっとしたように顔を上げたナルトは、嬉しそうにはにかんで頷いた。

「うん!そうだね。ありがとう、山中さん!僕、この子育ててみる!」
「っ、そ!なら、その子お買い上げね。支払いは?いつもと同じで良いの?」

自分に向けられた感謝と、飾らない笑顔がこそばゆくて、素っ気なく帳簿を捲り、ナルトの買い物を書き付けながらイノは問いかけた。

「うん。いつもみたいに月末に支払いにくるね」
「だったら、今その子用の土と肥料も買っていった方が良いかもよ。その子、土も選ぶから」
「そうなの?」

そっと大事な物を抱えるかのように鉢植えを持ち上げ、首を傾げたナルトを視界に入れないようにしながら、イノはつんと言い放つ。

「そうよ!でも、買うかどうかはあんた次第だから別に買わなくたって良いけどね。でも、うちで買った子達を枯らしたりなんかしたら許さないから!それだけはよく覚えときなさいよ!」
「もちろんだよ!」

ぎゅっと植木鉢を抱きしめながら断言するナルトの返答に、イノは満足する。

「その返事なら、土と肥料もお買い上げよね。株分け用の鉢植えはおまけしてあげる」
「え!」

イノが何気なくそう言った途端、ナルトはきらきらと瞳を輝かせた。
そして、ナルトの後ろでつまらなそうに店の中を眺めていたサスケに話しかけ始める。

「ねえ、サスケ。この子、サスケのお家で育てちゃ駄目?」
「はあ?なんでだ」

嫌そうに顔をしかめたサスケだけではなく、イノもナルトにそう言いたかった。
が。

「だって、さっき山中さんが言ってただろ?忍薬の材料になるような植物は、取り扱いが難しいって。サスケも一緒にこの子から馴れて行こうよ。上忍になる資格にある程度の薬学の修了ってあったはずだし。どう?」

思わぬ理由にイノは目を丸くした。
それに、よくよく考えれば、イノにとってナルトの提案は悪くない。
それどころか、非常に、非常〜に好都合だ。
逡巡するように考え込むサスケに、チャンス、とばかりにイノは薦め始めた。

「それがいいわ!いい機会だからサスケ君もナルトと一緒にこの子を育ててみたらどう?私も最初はこの子から育てるようにパパに言われたの。この子を上手く育てられれば、どんな子だって上手に世話ができるようになるって言われたし、事実そうなの!手間がかかるといえばかかるけど、意外と強いし、枯れても根が残ってれば持ち直すし、ほかの子に比べたらぜーんぜん簡単だもの!今ならこの基本的な忍薬の手引書も付けちゃうわ!」

イノは思わず中忍以上の客にしか渡さないオマケの小さな冊子をレジ台の上に乗せた。

「へえ?なにこれ?」

その冊子
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ