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NARUTO 桃風伝小話集
その18
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で睨み付けるナルトも、サスケにしかそんな姿を見せない。
二人共、お互いが一緒に居る時だけ、年相応の表情を覗かせている。
シカマルやチョウジの仲の良さにも似てるが、それよりももっと密度が濃いものを、イノは二人には感じている。

少し前までは、サスケと一応は男のナルトの為に、イノが二人を引き離さねばと責任感に駆られて居たのだけど。

「山中さん!これから花を付ける薬草にもなる花の苗、選んでくれない?僕が育てた事無い花で!」

まるでサスケに喧嘩を売るかのような勢いで注文を受けたイノは、その難しさに内心閉口した。
サスケに対する当て付けなのが見え見えだ。
しかし、付き合いが長くなればなるほど、知りたくもなくとも知ってしまう事と言う物もある。

これでいてナルトは、植物を育てる事にかけてはそこそこの指を持っているのだ。
少々手間のかかる植物も、枯らしてしまったという話を聞いた事がない。

それに、少しでも育てている植物に異変があれば、イノの家の店に相談に来るようになったのだ。
それは火影様からの紹介だったらしく、邪険にし過ぎる訳にもいかない厄介な客だ。
ナルトの植物や花々にかける情熱は、イノも一目置いて、認めている。

そんな相手からの注文だ。
イノにはまるで、ある種、戦いを挑まれたような気すらする。

気を取り直して、ざっと店内を見渡して、ナルトに薦められる花の種類を確認した。
薬草にはならないけれど、これから花を付けるのが何種類か置いてある。
そのうち、花粉に弱い毒を持ち、幻覚作用を起こさせる物が一つ。

「……薬草にはならないけど、毒があるのならあるわよ」
「毒?」
「そう。まだあんたが育てた事がない筈のやつだけど。どうする?」

ナルトの反応を確かめながら問いかければ、考え込むように沈黙した。
そして、再び真剣な表情で問いかけてくる。

「それってどんな毒?何か薬の材料になるかな」

その問かけに、イノはどこか嬉しくなる。
個人的にナルトは好きではないが、ナルトの生真面目な気質は嫌いではないし、努力家な所も、忍耐強く、決して諦めないタフな所は認めている。
いつもニコニコとしているチョウジのように、常に穏やかな所も嫌いじゃない。

けれど、チョウジとは違って、ナルトは常に穏やか過ぎて、逆にイノには胡散臭く思えて、ナルトを警戒してしまう理由にもなるのだけど。

「そこまで強い物じゃないわよ。ほんの少しだけ幻覚作用を起こさせる毒があるってだけ。薬の材料にするには弱すぎるわね」
「……ふうん」

イノの話に更に考え込むナルトに、イノはさり気なく教えてやった。

「忍薬の材料になるような植物は凄くデリケートな物が多いし、いきなりそういうのを育てるよりは、この花で慣れてみるのが良
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