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東方魔法録〜Witches fell in love with him.
38 人質〜They are not wrong about anything.
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狼が責任やこれからのことで頭を悩ませていると上空から紫色の…確かパチュリー・ノーレッジとかいう魔法使いが墜落してくるのを目にした。地面に衝突するのを防ごうと必死に追いかけている吸血鬼と赤毛と使い魔も見えた。

若い人狼は閃いた。

「おい!あの紫色を攫うぞ!人質だ!」

既に人狼には力の源である月がほとんど消えている。どんなに人狼の数がいたって月がなければ勝ち目がない。それに今回、多くの仲間を失ったせいで再び紅魔館を襲撃する戦力が足りない。次回はないと思っていい。あるとしても十年、二十年先の話だ。

そこで文字通り降ってきた最後のチャンス。あの紫色を人質にとって満月の夜にあの中の誰かをおびき寄せれば確実に勝てる。満月で無敵の人狼数十体、対レミリア一人なら圧勝だ。もし、この作戦が上手くいけば紅魔館の奴らを根絶やしに出きる。そのために何としてでも紫色を拉致しなくては…!

人狼達は若い人狼に従い、フランや、パチュリーを守ろうとするレミリア達の攻撃を受けながらも仲間の死体を踏み越えて、時には足場にしてどんどん気絶したパチュリーを攫おうと近付く。

そして若い人狼が空中で紙一重でパチュリーを強引に引き寄せ攫うことに成功した。
パチュリーをつかもうとしたレミリアの手が空を切る。そしてレミリアはパチュリーを取り返すべく、若い人狼を攻撃しようとした。
だが、若い人狼は空中で物質の法則に従って落下しながら手だけ動かしてパチュリーの首に爪を寄せた。

「動くな!こいつが死んでもいいのか?」
「くっ!?」

これじゃまるで悪役だなと人狼は思いつつ早速パチュリーを人質に使う。
レミリアは固まって人狼の言う通りにした。

よかった…と人狼は思った。実は若い人狼は人質作戦が上手くいくか心配だった。もし、この吸血鬼が人質ごと自分を攻撃したら作戦どころじゃなくなる。人狼の心配は杞憂に終わった。

地面に着地した後、若い人狼はレミリアに言った。

「あの出鱈目な吸血鬼を止めろ」
「……フラン、来なさい」

レミリアが呼ぶとすぐにフランがあらわれた。

「どうしたの御姉様。折角いいところだったのに…ってパチュリー!?パチュリーを放せ!!」
「待ちなさいフラン!」

パチュリーが捕まっているのを見たフランはすぐさま助けようとしたがレミリアがフランの肩を掴んで止めた。

「う〜!」

肩を掴まれたフランはパチュリーの喉に爪があることに気付き、唸った。

「この娘を返して欲しくば一週間後の満月の夜に一人でここにこい」

人狼は指定した場所の地図が書かれた紙を捨てるように渡して人狼の大軍(今となってはフランのせいで大軍とは呼べないが)を引き連れて帰って行った。
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