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東方魔法録〜Witches fell in love with him.
38 人質〜They are not wrong about anything.
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光を遮る範囲の外に出ないように精一杯、雲を生産する。
雲は空気中の水蒸気と塵の集まりだ。
雲ができる空は気圧が低い。空気が空に上がっていくと、急に膨らんで温度が下がる。すると、空気の中に含まれていた水蒸気が冷やされて塵に集まって水や氷の粒になる。これが雲の正体だ。
雲を作ること自体は意外と簡単だ。ペットボトルにぬるま湯と線香の煙を入れた後、蓋をしてペットボトルを何度も握って圧力をかける。これだけで少量の雲が出きる。嘘だと思うなら試してみればいい。
紅魔館の上空に雲を作る程度ならパチュリーにとって造作もないことだが、高速で移動するフランをカバーするともなるとペットボトル云々のレベルじゃない。もっと多くの雲を作り、多くの魔力を消費することになる。
パチュリーがなんとか雲を出していると、夜が明ける明けてきた。薄く明るくなってきてうまく雲によって日光が遮られている。
「危なかったわ…ありがとうパチェ」
「はぁ、はぁ、はぁ…。けほけほけほっ!」
「パチェ?」
パチュリーは全身からごっそりと力が抜けていくのを感じた。広い範囲の雲を作るといってもたかが雲。普段のパチュリーなら疲れる程度ですむ筈だが、今は魔力が底をつきそうだった。度重なる戦闘で激しく消耗していたからだ。そして悪いことに
「ちょっとパチェ、大丈夫?」
「ごほっ、ごほっ!ゼー…ゼー…」
「パチュリー様!」
喘息が出てしまった。
魔力を使って飛んでるとはいえ空中で激しく動き回り、何度も呪文を詠唱していたパチュリーが今まで喘息が出なかった方が不思議だった。雲を出すことで限界が来たのだろう。
パチュリーは姿勢を崩し、地面に落下していった。
「くそっ…!」
人狼の会議でいた比較的に若い人狼が悔しがった。
「こんな情報聴いてないぞ…!」
この人狼は会議で明希がいないから戦闘を仕掛けるべきと進言したものだった。進言は受け入れられ、憎き吸血鬼の館に攻め行ってジワジワと追い詰めたところまではよかった。あの出鱈目な吸血鬼が出てくるまでは。
ずっと地下に幽閉されていたフランのことをしらなかったのは無理もない。しかし、人狼はフランの存在を知らなかったから負けた。何故なら紅魔館の中で戦闘だけならフランが一番強いからだ。
その若い人狼は仲間が次々と倒されていく様を目に焼き付けられながら考えた。
どうすればいい!?アイツらを追い詰めた、そこまではいい。でも止めを差せなければ意味がない!今じゃ一方的にやられているだけだ!!
月も消えかけているしこれ以上は仲間が死んでいくだけだ。何かいい手は…せめてレミリア・スカーレットだけでも狙い撃ちするか…?
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