第三十話
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で、注文したものが一通りそろったので食事をしながら話を始める。
「こうしてアンタと一緒に食事をとるのも、ずいぶんと久しぶりに感じるわね」
「実際には、九か月もたってないんだけどな」
「それでも、よ。昔はしょっちゅうこうしてファミレスに来てたんだから」
「ああ、週四回近く来てたな。特に意味なんて無かったり、ラッちゃんの勉強見たり」
「アンタが反省文書くように見はったり、宿題やるように見はったり」
確か、勉強を見てたのは俺がラッちゃんの両親から頼まれたからだったな。結構成績が大変なことになってるから、と。
んでもって、ラッちゃんが監視役に抜擢されたのは、俺を扱うのに一番慣れているのがラッちゃんだから、と教師陣に頼まれた形だ。
「にしても、ラッちゃん。よく俺なしで零厘入れたな」
「頑張ったのよ、かなり・・・と言いたいところなんだけど」
そこでラッちゃんは、少し言いづらそうに話しだした。
「カズの言う通り、あたしは成績的には入れないわ」
「じゃあ・・・特別枠?」
「正解。この体質のおかげで、あっさりと入れたのよ」
俺達が通っている零厘や美羽が通っている人憑などには、特別枠という制度がある。
それは、名前の通り特別な人を受け入れる制度。
その例としては、異常能力者であったり、血の引き方が特殊であったり、とまあ様々なわけだけど。
「まあ、一種類の血をそこまで中途半端な形で引いてるのなんてラッちゃんくらいだろうからな」
「そういうことよ。最近では、複数の血を引いてるのなんてむしろ珍しくないみたいだし」
「意外と会ってたりするんだよなぁ・・・あ、殺女も特別枠だ」
「いや、席組みの特別枠をあたしと一緒にしないで・・・レベルが違いすぎるから」
「あ、俺も特別枠だ」
「それは仕事こみでしょ?」
うん、特別枠が多すぎる。
ついでに言うと、鬼道の一族も特別枠の対象だったりする。
日本で一番多くの霊獣を葬ってきた一族。さらには、日本で最も異質な奥義を継承していく一族。
十分に、対象にはなっていたらしい。もう滅んだ扱いだから消えたんだけど。
「まあ何にしても、普通に受験しているのは雪姫くらい、ってところか」
「彼女は普通に受験して零厘に入れるんだ・・・」
「ああ。受験前に俺と殺女の二人がつきっきりで受験勉強をさせたんだけどな」
「何そのすっごい待遇」
うん、まあ中々な家庭教師だとは思う。
そして、そんな中でちゃんと教えられたことを記憶して合格した雪姫は、一番すごい。
「じゃあ、俺はまた教えた方がいいのか?」
「あ、出来るならお願い。時間があるときでいいから」
「まあ、依頼関係は夜にやってるからいいんだけど。場所は・・・うちでやるか?
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