第百八話 最後の戦いその四
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「全くな」
「そうですか」
「そうだ、俺は戦うか掃除が出来ればそれでいい」
「そのどちらかが出来ればですか」
「充分だからな」
それでだというのだ。
「誰の言うこともやることも否定しない」
「人は人ですか」
「もっと言えば俺は俺だ」
つまり自分は自分だというのだ。
「そういうことだ」
「そうですか」
「そうだ、だから君の考えも主張もだ」
「否定されないですか」
「そう思っているのなら思えばいい」
そして言えばいいというのだ。
「それに俺はこの戦いがなくともだ」
「別の戦いを、ですか」
「楽しむ、そうするだけだからな」
「そうなんですね」
「しかし戦うからには勝つ」
これは絶対のことだというのだ。
「それが最高の喜びだからな」
「勝つことはお好きですか」
「最高にな、だが負けてもいい」
それも構わないというのだ。
「楽しみたいだけだ、剣士の戦いも」
「何か加藤さんが少しだけでもわかった気がします」
「そうか」
「はい、少なくとも悪い人ではないと思います」
むしろある意味純粋なものを感じた、加藤に。
「お話したことは殆どありませんでしたが」
「そうだったな、会うことも少なかったな」
「そうでしたね」
「俺も君が少しわかった」
「僕のことが」
「悪人ではない、純粋だ」
上城のそうしたことがわかったというのだ。
「もっとも俺にはどうでもいいことだが」
「僕のことも」
「どうでもいい、ただ悪人でないことはわかった」
このことは、というのだ。
「でははじめよう」
「わかりました、それじゃあ」
こう応えてだった、上城も加藤も。
十二時になったことが直感的にわかった、それで二人共剣を出した。
上城も加藤も出した剣を構えた、ここで聡美は二人を見て言った。
「はじまりましたね」
「ええ、これがね」
「最後の戦いですね」
智子と豊香もその聡美に応えた。
「いよいよ」
「終わらせるべき戦いが終わる戦いが」
「そうですね、では」
それではと言ってだ、そしてだった。
女神達は上城と加藤の戦いを見守った、聡美はまだ不安そうだったが。
樹里は落ち着いていた、その顔でだった。
二人特に上城を見ている、上城は今は加藤と構えを取ったまま対峙している。
そうしてだ、二人共だった。
それぞれの力を全身に及ぼさせた。上城は水を、加藤は魔を。上城はその水の温度を下げて氷にしてだった、その氷達を。
蜘蛛の巣の様に周囲に放った、特に加藤に。
その無数の氷の柱が上城を突き刺そうとする、だが。
加藤はその氷の柱達を手に持っている剣で次々に砕いた、そして今度は。
彼からだ、剣から魔を出してだった。
魔の力をビームの様にして繰り出した、それで上
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