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万華鏡
第七十九話 マラソン大会その十一
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「あんたと違ってね」
「私は小さいけれど」
 だが、というのだ。
「お兄ちゃんは高いのよ」
「兄妹であれだけ背が違うのはどうしてなのよ」
「私はお母さん似なのよ」
 それで、というのだ。
「だから小さいのよ」
「それでその小柄なことが、ですね」
「部長さんにとっては」
「いいことなのよ。実際これで男子にももててるから」
「じゃあ彼氏もですか」
「部長さんは」
「それは言わないけれどね」
 肝心なことは内密にする、部長ならではである。
 そうした話をしてだ、この日の部活は解散となった。とりあえず全員完走出来たことは彼女達にとっていいことだった。


第七十九話   完


                          2014・5・1
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