第三十六話『恋』
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。
「まてラウラ、お前は自分の言っている意味が……」
最後まで言葉をつなげようとしたが、ラウラの真剣な表情を見て
「(まずい、ラウラは本気だ……まて考えろ、あのラウラが突然このような行動をとるか? ありえない、裏に誰かがいると見た)」
頭で冷静に判断するが、ラウラは刻一刻とスウェンへと迫る。
「隊長……」
「(やるか……)」
スウェンは呼吸を整え
「ラウラ・ボーデヴィッヒ!!」
「!? は、はい!!」
急なスウェンの気迫のある一声に、ラウラはスウェンから離れ待機姿勢をとる。
「お前に既成事実などを教えた人物は誰だ!」
「はっ! クラリッサ副隊長であります!」
「なるほど、あいつか」
「……あっ!?」
ラウラは自分の口にしたことに気づき
「た、隊長……」
「すまんな、自分を守るためだ。色々とな。さて、さっさと服をきーー」
「スウェンもう戻ってたのー?……え?」
運が悪く、シャルロットが購買から戻って来、その光景を目にした。
そして冒頭に戻るのである。
「シャルロット、弁明の余地を与えて欲しい」
「何かな?」
「ラウラが一方的に襲ってきた」
「んなぁあ!?」
「すまんな、ラウラ。俺の威厳を守るためだ」
「そ、そんなぁ……」
するとシャルロットは何かを察したように
「……ねえスウェン、少し席はずしてもらえないかな?」
「?……ああ」
スウェンは立ち上がり、シャルロットに言われたとおりに部屋を出て行く。残されたのは気まずい雰囲気に呑まれたラウラとシャルロットだけ。
「ラウラ」
「な、なんだ!」
「もしかしてラウラってさ、スウェンの事好きなの?」
「え?」
その問いにラウラは戸惑いを隠せない。が、こくりとうなずき肯定を示した。
「そうなんだ、ラウラもなんだ」
「も、だと? デュノア、お前も隊長の事を?」
「うん。何でラウラはスウェンの事が好きなの?」
「それは……隊長は私にとって恩師で、私に全てを与えてくれた人だ。だが、あの時……私が暴走して助けてくれた時から、私の感情は変わっていた。私は隊長を異性としてみるようになり、更に隊長を思ったりしているとこみ上げて来るこの感情は、恋なのだと気づいた」
「そっか……お互い、スウェンに助けられて好きになっちゃったんだね」
シャルロットは笑顔になりながらラウラに言う。
「ってことは、僕とラウラは恋のライバルってわけだね♪」
ラウラはきょとんとしていたが、軽く笑い
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