第三十六話『恋』
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』
「恋の病です!!」
傍から見れば背後から「どーん」という効果音がなりそうな勢いでそう言ったクラリッサ。勿論ラウラは呆然としていたが、すぐに我にかえる。
『こ、恋……こ、この私がスウェン隊長に!?』
「ええ、なるほど。まさかあのラウラ隊長に恋愛感情が芽生えるとは正直予想外でした」
『なぜかものすごく侮辱されたような気がするぞ。だ、だが恋か……言われてみれば、スウェン隊長に対しての感情が変化しているのは私自身感じていた。それがまさか恋……とは』
「ふむふむ、ラウラ隊長が恋をするのは非常に喜ばしい事です。ですが相手が悪い。なぜならラウラ隊長が恋をしている相手は、常に冷静沈着で任務を淡々とこなし、さらにそのクールなフェイスから時折見せる微笑が堪らない、我等がスウェン中尉なのですから!! 一筋縄では到底いかないでしょう」
『ッ!?……で、ではどうすればいいのだ!?』
「ふふふ、お任せください。このシュバルツェ・ハーゼ副隊長。クラリッサがラウラ隊長の恋を成就させるために一肌脱ぎましょう!! あ、ちなみにこれから伝えることは、私から聞いたということはスウェン隊長に御内密に」
『わかった』
「では……」
※
「ノワールの調子も悪くない、もう少し訓練の質を上げるべきか……」
放課後の訓練を終えたスウェンは自室へ戻っている途中であった。タッグ戦で負ったノワールのダメージは完全に修復しており、更なる訓練の向上をしようか考えているスウェン。
そうこうしているうちに自室の前にやってきた。そしてドアノブに手をかけたが
「……開いている?」
鍵が開いており、ドアノブが回る。スウェンは鍵はしっかりとかけており、さらにシャルロットも購買に行った。スウェンは警戒し、ゆっくりと部屋に入る。
「……」
部屋は暗く、閉められたカーテンの隙間から光が漏れているだけだ。静かに扉を閉じ、数歩前に進むと
「……誰だ」
背後に気配を感じ、スウェンはすぐさま振り向く。そこで姿を現したのは
「ラウラ……?」
どうやらラウラが扉の後ろに隠れていたようだ。ラウラはスウェンへと近づき
「なぜお前がここにーー」
「隊長!!」
突然ラウラは飛びつき、スウェンはそのまま体制を崩して倒れこむ。
「っ……ラウラ、一体何の真似だ?」
「隊長、突然のご無礼をお許しください。隊長、これから……」
そしてラウラは服を脱ぎ
「既成事実を作らせていただきます!!」
「……は?」
スウェンは思わず呆気にとられた表情をし、冷静に現在の状況を把握した
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