トワノクウ
第十夜 吟変り(一)
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
こう》でやった授業内容でも暗唱してみせようか? それとも楽研で今まで演った曲ぜんぶ唱えば信じる?」
まくし立てる内に、みじめさが加重されてゆく。潤にも分かる篠ノ女空の証明が「その程度」しか思いつけない。
その程度。その程度。何もかも「その程度」の成分でしか出来ていない篠ノ女空。
「篠ノ女、落ち着けっ」
潤がくうの二の腕を掴んだ。腕力が強い潤をくうには振りほどけない。くうは必死で潤の胸板に手をやって押し返した。
思考が乱れる。感情起因性の言語しか生み出せない。彼だけだ、くうの頭をここまで掻き乱せるのは。
そうだった。この世界に来るまでは、彼がくうから理性を追放するただ一人の存在だった。
「放して! 私だって信じてないなら、その名前で呼ばないで!」
そのとき、御簾が開いた。
Continue…
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ