2話 Main Culprit
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も『あの方』にも困りましたね・・・」
ふぅ、と本日3度目になるため息を老人は吐く。
「まさか『ご自由になさってください』と言ったら、本当に適当に選ばれてしまうとは・・・」
「それもまた、『あの方』の魅力なのでしょう」
「そうですな・・・」
老人はエリザベスの言葉を肯定する。
「しかし、ただでこちらに呼ぶというのはあまりに理不尽すぎますね」
老人は目の前のテーブルを見つめながら言う。
「一つや二つ程度の特典をつければよろしいのでは?」
「いくらそれを貰おうと、あくまでそれはこちらの『世界』での話し、その方にとっては違う『世界』・・・難儀なことですな」
老人はまたため息をつく。
「エリザベス。その件は任せますよ」
「はい。わかりました」
エリザベスは老人に頭を下げる。
すると、老人はすっと溶けるようにして消えた。
「ふむ。いかがいたしましょうか」
エリザベスは一人呟く。
「!!・・・そうですわ」
エリザベスはポンと手のひらを叩くと、ポケットから何かを取り出した。
「これを使って直接聞けばいいのです!」
エリザベスは誰もいない空間で一人、取り出したものを掲げ叫ぶ。
「つい最近使い方を覚えました、文明の利器。その名も・・・」
エリザベスは一人盛り上がっている。
「携帯電話!」
そして、一人叫ぶ。
「これで・・・適当な、アドレスを入れて・・・異世界に送ると・・・」
エリザベスはアドレスを入力したところで一旦止まる。
「内容はなんて送れば?・・・あ・な・た・わ・な・に・お・の・ぞ・む・?」
慣れない手つきでエリザベスは携帯に文字を打ち込んでいく。
「ふむ。これではイマイチ文章がわかりませんね」
エリザベスはさらに打ち込む。
「やはり、能力は一つまでですね。それ以上つけるわけにはいきませんし」
彼女は変換ボタンの使い方がいまだにわかっていないようだ。
「ステータスもサービスしましょう。合計は・・・10くらいでいいでしょう」
一人納得しながら文字を入力していく。
「これは必須ですね。拒否権はない・・・いい響きです」
「あまり長時間かけられると、時間がどう飛ぶかわかりませんから、5分以内にしてもらいましょう」
「ふむふむ。これでよし」
もう一度自分のメールを見直し彼女はうなずく。
「あ、そうだ忘れるところでした」
彼女は最後にそう呟くと、携帯に文字を打ち込む。
その時に勝手にカタカナ変換になったのは偶然か、それとも必然なのか。
「ぺ・る・そ・な」
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