第1部
第4話 我、日常ヲ謳歌ス
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執務が終わったら、鎮守府内の見回りだ。
上に立つ者として、現場を自分の目で確かめるのも、れっきとした仕事だ。
まぁ、俺の仕事ではないが。
「……暑い…」
「……暑いな…」
とにかく暑い。
ジリジリと照りつく太陽を頭上に仰ぎながら、鎮守府内を歩く。
他国の軍事施設の為、将官服を脱ぐ事は疎か、着崩す事さえラトロワに前持って脅され…いや、厳命されているので出来ない。
ラトロワはそういった所が非常に手厳しく、もし破った事がばれたら本気でハイパーメガ粒子砲で消し飛ばされかねない。
依然ばれた時は、ジムクゥエルの頭部バルカンを実弾でぶっ放しながら追いかけ回された。
「………」
「………」
2人して黙り込んで、汗を滝の様に流しながら、足を引きずる様に歩を進めた。
今すぐ海に飛び込んで何もかも忘れたいが、ラトロワに釘を刺されている手前、命が惜しいのでやめておく。
ああ、死にそうだ…。
「ん?」
「ど〜した〜、一葉」
コンクリートで舗装された海沿いに、見慣れた連中を見つけた。
ユウヤ達、ヴァルキリー中隊の第2小隊の3人と、誰かさんによく似た佐官が1人。
何やらユウヤ達は、海面に頭を出したハイゴッグの上で釣りに興じている様だ。
「お〜い、何やってんだ」
「あ、司令。
ちょっと海釣りでも、と思いまして」
「だからってハイゴッグ持ち出すなっての。
おいウィル=A聞いてんのか」
『あ、あはは……哨戒任務の帰りに捕まりまして……』
海沿いの海面に頭だけを出したマリーンズのハイゴッグの2号機パイロット、ウィルバート・コリンズ¥ュ尉の、引きつった苦笑が、外部スピーカーから漏れた。
「まぁまぁ、偶にはこういう息抜きもいいでしょう、提督」
「あのですねぇシロガネ大佐=AMSの部品だってタダじゃ無いんですよ?
動けばパーツだって磨り減るし欠けるんです。
あまり出費を増やす様な行為はおやめ下さい」
「はっはっはっ、こりゃ手厳しいな」
戦艦ヴィドフニルの艦長であり、武の実父である白銀影行¢蜊イの笑い声が木霊した。
「……まぁそれはさておき、あいつらが羽目外し過ぎないようにしてくださいよ、大佐」
「おう、まかせとけ」
ジリジリと照り付く太陽光を浴びて汗だくになった制服を脱ぎ捨てたくなる衝動を必死に抑え、離れた場所に出来た影で待っていた親父と合流する。
「お前んとこの連中は随分アクティブなんだな。
この糞暑い中海釣りとは……」
「まぁ、頭ん中のネジ何本かぶっ飛んでるような連中だから……」
「おいタケルッ?? 竿、竿引いてるッ??」
「早く、早く引き揚げろ武ッ??」
「わかってますよッ?? んなくそッ、重いッ………よっしゃあぁぁぁあああ、カツオ、カツオ釣れ
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