第三話 三
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いコンビニエンスストアに立ち寄って、そこで休憩する事にした。
アリスは当然、傷だらけで重傷になっている結月を見て驚き、そして今まで生きていたみんなが居ない事に恐る恐る彼に聞く。
彼女自身大方予想出来ていたが、ナナシはその凶悪なエリマキトカゲの傘のようなものを広げている顔を横に振る。
アリスは彼の答えに、ぺたんっと力なく座り込み、大粒の涙が顔を伝った。
「そんな…… そんな…… あまら、しなないってやくそくしたのに…… うそつき、うそつき……!」
「アリス…… ちゃん、ご…… ごめんなさい…… 私が不甲斐ない…… ばかりに…… みんなを死なせてしまった…… 私、何て馬鹿なんだろ…… 一瞬でも、気を抜いたら駄目なのに…… 冷静にならないといけないって自分でも言っていたのに…… 私、駄目だった……」
結月は自分に対して怒り、悔し涙を流す。
ナナシは二人が泣いているのを見て、きっと自分も感情があったら一緒に泣いてあげられただろうし、一緒に共感が出来ただろう思った。
自分も天羅の時もそうだったが、助けようと思えば、結月の時のように出来た筈だ。だが、あまり自分とアリスには関係が無いと思い、本気を出して助けようとはしなかった。
アリスは結月を気に入っていた。理性的に考えてそれだけの理由で助けた結果がこれだ。
「失敗したな、アリスが悲しむのなら俺は天羅も助けておけば良かった」
「ふふ、ナナシ、心が無いから淡々としたきつい言い方ね…… いいえ、違うよ…… ナナシは本当はアリスちゃんと二人で一緒に居たかっただけなんだよね…… それなのに無理をしてアリスちゃんのお願いで付いて来ているんだから…… アリスちゃんを関わらせて、親しくなって悲しませてしまった私達が一番悪いよ……」
彼女はその次に「……だから」っと小さく呟くと、力なく笑う。
「この尻拭いは私が……するから…… 貴方達は逃げて……」
そう彼女が言ったその瞬間。ガシャンっとガラスが割れ、中に追いかけてきた健吾が入って来た。
アリスはガラスが割れた瞬間。ビクッと身体が反応し、健吾の居る方へ顔を向く。
そうして彼女は彼の姿を見た。
その瞬間。彼女の瞳は大きく見開き、唇を戦慄かせながらぽつりと呟く。
「……パパ?」
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