第三話 三
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のまま敵の居る場所へ突撃する。
アリスはそんな急いで駆けていった結月達に、何故か不安を感じ、このまま彼女達を行かせてはよからぬことが起きるような気がしたのだった。
「すごいわね、ほとんど全滅してる…… そして…… あ、あれは何?」
結月達の見ている光景。それは、この世の地獄だと言っても過言では無いような凄惨な光景だった。
辺りに散らばっている元は人であっただろう残骸、虚ろな目で結月達を見る頭部、地面を彩る赤、赤、赤。
きっとナナシが暴れていたからこんな状況になり、そして、敵は壊滅寸前に追い込まれたのだろう。だから銃声が聞こえなかったのだ。
だけど、何かがおかしい。
敵はまだ一人、軍服を着ていた奴らとは雰囲気の違う男が残っている。
しかも、デセスポワールになっているナナシと、素手で戦っていた。
ナナシの怒涛の攻撃を、男は人間のなせるような尋常でない速さで回避し、しかも笑っている。
「何だあの男? 取り敢えずあのデセスポワールが苦戦しているようだから援護射撃するぜ」
「天羅が援護をしていないなんて、一体何があったの? ともかく、本当はナイフで戦いたかったけど、あの中に突っ込んだら絶対死ぬね。銃を拾って先にこの男を倒さないと!」
結月はそう言うと、手近にある死体から拳銃を抜き取ると、それを男に向けて構えて発砲した。
だが、男はニヤリと笑いながら銃弾を軽々と避ける。
追撃に新田が突撃銃で撃ちまくるも、その場から跳躍して離れ、弾の雨を回避した。
「……君、そろそろ厄介者が現れた事だし、君とのお遊びはここまでにしておこう」
「逃すとでも?」
「あぁ、逃げ切ってみせるさ、戦っていたから確実に分かっていると思うが私は適合者……それも、私独自で改良した新型だからな」
「新型? もしかして適合者の割に俺と同等かそれ以上の動きをしている身体能力の跳ね上がりがそうか?」
「以外に鋭いな、そうだとも、何せ失敗作のお前を下地にして完成した完璧な肉体変異手術だ。変身しなくても通常の人間より倍以上の身体能力を有し、かつ、変身すればどのデセスポワールにも負ける事が無いであろう、圧倒的な力を持ったデセスポワールに変身出来るからな…… まあ、唯一残念だったのははこの手術を施して成功したのは自分とあいつだけだ。もっと他の人間にもこの能力を与えられるようもっともっと実験をしなけらばなるまい」
「なるほど、それは分かった。だが、何故お前の部下である天羅を殺した?」
ナナシが疑問に思っていた事を口にした瞬間、会話を聞いていた結月は動きを止めて、呆然とする。
「あ、天羅が…… 死んだ?」
彼の質問に、司令官と呼ばれていた男は「ふっ」と微かに笑うと、髪をかきあげて答えた。
「
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