十二話
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「明日は臨海学校だ。各自準備を怠るな」
帰りのホームルームも終わったので俺は教室から出て行くことにした。
今日はハルバートではなく二本のナイフを使って修練しようと思う。一個のモノに固執すると存外脆くなるからな。できるだけ手数を増やして起きたいところだ。
そんな教室から出て行こうとする俺を呼び止める物が居た。
「ホムラ!私と勝負をして頂きたい」
何時かの篠ノ之だ。勝負とは武をきそうのだろうか?
「何でだ?俺は頭を使うのは苦手だが」
正直な話余り勉強は得意ではない。戦術などは覚えられるのだが自分で乗らないISについては無理だ。
「いや、剣での勝負を挑みたい。私の剣があなたにどれほど通じるのか知りたい」
「俺の得物は槍なのだが……。それでも良ければ相手をしよう」
※ ※ ※
剣道場に来たのはいいのだがここまで観客が多いとは聞いていない。制服のリボンが違うことから全学年の生徒が観に来ていることが察せられる。無論全員では無いのだろう。流石に剣道場にはいれない。
「さて、篠ノ之よ。準備はいいか?」
「問題ない。あと篠ノ之と呼ぶな。箒でいい」
「わかった。見せ物は余り好かない……。始めよう」
俺は竹刀片手で自然体に下におろしながら立った。形容するならば下段と言う一番だろう。
対する箒は中段にぴたりと構える。竹刀が全く揺れないことからなかなかの強さなのだろう。だがまだ若いな。俺との強さを肌で感じられないとは……実戦なら死んでいるな。ちなみに二人とも防具は付けていない。寸止めでいいだろうしな。
「始め!」
審判からの合図を期に箒が踏み込みから小手を狙い放ってくる。それを足を捌いて避ける。だが箒は流れるように竹刀の軌道を修正して面を狙ってくる。それを最小限のバックステップでまたも避ける。また、避ける……。さらに避ける。ゆったりとした最小限の動きで避け続ける。それはまだ箒が若い……はっきりといえば弱いからできたことだ。
※ ※ ※
「はぁっはぁっ」
箒の息がきれて大きく肩を上下させる。最初はうるさかった観客も静かになっていた。
「負けを認めるか?」
対する俺は汗一つ掻かない。箒は悔しそうに唸ると
「私の負けだ」
あっさりと負けを認めた。
「永く戦いに身を置いた者からの助言だが……、お前は型にはまりすぎている。恐らくはどこかの流派なのだろうが動きに一定の規則性がある。一対一ならば自分自身の動きをしたほうがいいだろう。あとは地力か……。せめて強者の区別がつくようにするといい」
「そうか……助かる」
肩を落とした箒はそれだけ言うと更衣室に向かった。俺はそのまま剣道場を出ようとして
「凄いねお兄ちゃん!!」
ラウラに捕まっ
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