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邪炎騎士の御仕事
女狐の懐刀
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の効果を増幅する香が焚かれており、この部屋に入ったら最後、虜になることは避けられないはずなのだから。

 「悪いが俺の精神はとうの昔に焼き尽くされているんでな。あんたが美人であることは認めるが、それだけで性欲を覚えるような普通の精神をしてないんだよ」

 「かの火神に会ったというのははったりでもなんでもないというわけね。はあ、面倒な子を拾ってしまったものだわ」

 「今からでも追い出すか?俺は構わないぞ。もう充分一人でもやっていけるからな」

 「馬鹿を言わないでくれるかしら。私の懐刀である貴方を今更手放せるわけないでしょう。貴方が死ぬまで働いてもらうわよ」

 「やれやれ、身勝手なことだ。で、俺を呼んだのはなんだ?」

 「あら、そんなこといっていいのかしら。これは貴方の頼みで調べていたことよ。セベクと神取鷹久、尻尾が掴めたわよ」

 「本当か?」
 
 その言葉に初めて表情を変える少年。それは待望のものを見つけたようで、同時にそれを悔やんでいるかのような複雑な感情をはらんでいた。

 「驚いた、貴方もそんな顔するのね。
 詳細はそこの資料にあるわ。貴方へのオーダーはデヴァ・システムの詳細の入手と破壊よ。神取の坊やには手に余る代物だから、私達で有効に使ってあげましょう」

 「わかった。データの入手と破壊さえすれば、後は俺の好きにしていいんだな?」

 「う〜ん、基本はそうなんだけど……あ、一つだけあったわ」

 「なんだ?」

 「ペルソナ使いを一人浚ってきなさいな。あ、美人の女の子でお願いね」

 「ペルソナ使いを?なぜだ?」

 「私の配下にはいないし、元々欲しいとは思っていたのよ。手に入れるチャンスがあるなら、逃す手はないでしょう?」

 「……分かった。でも、なんで女限定なんだ?美人なのはお前の趣味だろうが」

 「だって、世話するの貴方だもの。どうせ世話するなら、野卑な男より綺麗なお姉さんの方がいいでしょ?」

 「そりゃ男より女の方が……って、待て!どういうことだ!?」

 「浚っておいてポイは無責任過ぎるでしょ?だったら、貴方が面倒みるのが当たり前じゃない。それに私の魅了をものともしないあんたなら、色に迷うことがないし、判断は誤らないでしょ」

 「俺は別に浚ってこなくてもいいんだが……」

 「駄目よ、これは貴方の頼みを聞いた対価でもあるわ。確かにデヴァ・システムは有用だったし、他組織に先んじられたことは大きいけど、それとこれとは話が別よ。それは結果的にであって、貴方の雲を掴むような話を信じて動いてあげたことの対価はもらうわ」

 女傑としては、実は十二分に元は取れているので、必要ないといえば必要ない。しかし、同時に目の前の少年に裏での枷が必要だとい
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