クズノハ提督応接
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囲気から一転、倉岡の表情が強張り緊張した空気が漂い始めた。
「……友人から事件の存在を聞かされた事と、どの船が消えたのかって事、関係者以外には他言無用って事くらいしか俺は知らないです」
一瞬だけ、ガラリと変わった空気に戸惑いながらも葛葉は正直に話した。
「そっか。ゴメン、知らないとは思っていたけど一応、デリケートな話題だから……もし行方不明の艦について何か分かったら教えてくれるかな?」
「了解しました」
最後に倉岡は満足そうな顔で頷き、鎮守府を後にした。
「とはいえ、多分俺たちには関係無いだろな……雷ー? 電ー? 飯の準備でもするぞ」
葛葉は玄関を後にした。
一人の青年が着任する鎮守府を去り、倉岡は一人考えていた。
「雷、電……もしかすると」
珍しく一つの鎮守府に揃った二隻の姉妹艦。先程の話も何かの予兆に思えてくる。
「考え過ぎかな」
ただの偶然だろう。姉妹艦が一つの鎮守府に実装されるのは珍しいことではあるが全く無いわけではない。今回もその一つだ。
ポケットの中の電話が鳴った。携帯電話が取られ、画面に通話中の文字が浮かぶ。
「何か分かったか?」
一言二言の会話が続いた後、電話は切られた。携帯電話を仕舞う倉岡の表情から察するに内容は芳しくない様だ。倉岡は一つ息を吐き、誰もいない夕空の中叫んだ。
「一体どこにいるんだ。この日本のどこかにいるのだろう? 響!!」
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