クズノハ提督応接
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皮肉とも取れる独り言を呟いた。
しばらくの間妖精さん達と話し込んでいた倉岡は会話を終えたのか、葛葉の元へ戻ってきた。
「妖精さんと会話出来るんですね」
「僕や君を含めて誰でもある程度の意思疎通までは出来るよ。ただ、細かい内容の会話は艦娘じゃないと出来ないかな」
妖精さんは艦娘達が現れたと同時に突然出現した存在。艦娘と何かしらの繋がりがあるのかもしれない、と葛葉は興味深げに疑った。
「そういえば、君の指揮する艦娘達はどうしたんだい? 姿を見ないが」
倉岡はふと違和感を感じたかの様に周りを見渡しながら、声をかけた。
「もしかしたら……まだ寝てるかもしれません。あいつらもまだまだ子供ですから」
その時、工廠前の観葉植物が倒れ影から二人の少女が姿を現した。
「流石にもう起きてるわよ! 夕方まで昼寝する人なんて司令官ぐらいしかいないわよ?」
「ああ、土がこぼれちゃったのです……」
「雷、電! そんなところに」
観葉植物の影から颯爽と登場した二人に半分呆れつつ、葛葉は倉岡に紹介を始めようとした。
「雷、電……特V型駆逐艦の双子姉妹か」
ーーがその必要が無いと知り、口を閉じた。
「葛葉提督。君は、面白い運を持ってる様だね」
「面白い? といいますと?」
「偶然なのか運命なのか、この鎮守府にあの双子が一緒に配備されたことがだよ」
倉岡の話によると、旧日本海軍の艦船と同様に艦娘は艦としての種類こそ多かれどそれぞれが一人ずつしか存在しない。その為、姉妹艦といえど離れた場所に実装されるのは日常茶飯事なのだそう。
「離れた場所にいる姉妹に会いたい、って事で鎮守府を無断で抜け出してまで会いに行く……って艦娘も多くてね。ああ艦娘がそれぞれ二人以上いれば、って度々思うよ」
倉岡は心底困った様に悩みの種を吐いた。
「そりゃ会いたいに決まってるじゃない、何十年ぶりに会う姉妹なんだもの」
「それは十分承知しているけど、もしその鎮守府に何かあった時にいなかったらって思うとね……」
倉岡は更に困った様に、今度は溜息をついた。葛葉はこれはいけないとばかりに急いで話題を変えることにした。
「ええと、結局資材の件は」
「ああ、それなら問題ないよ。……この度は此方の不手際で大変ご不便を」
「大丈夫ですから、それ以上暗い顔されると困ります!」
暗い顔で謝辞を述べる倉岡の言葉を遮り、葛葉は早急に話を切り上げることにした。
「では、不足分の資材は近日中に持って来させます……ところで、葛葉君。ひとつ聞いてもいいかい?」
玄関先まで来ると倉岡は最後に一つ尋ねた。
「この間の軍艦消失事件について、何か知っている事はないかな?」
今までの友好的な雰
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