暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン9 ノース校と選ばれし戦士(中)
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たく、いきなり帰ってきて何言ってんだ翔は。確かに状況は苦しいけど、そうなったからって棄権するのはさすがに卑怯すぎる。どうせ乗りかかった船なんだ、最後まで葵ちゃんを信じるのが筋ってものだろう。

「いいから、早く!訳は全部後で話すッス!」
「うーん、やっぱり昨日からの嫌な予感が消えないなあ、なんだって。ねえ、清明。もしかして、ちゃんと話を聞いた方がいいんじゃないの、だってさ」
「そ、そうっスよ!早くしないと!」

 なんだか妙に焦って早く早くと繰り返すだけの翔に何を感じたのか、夢想まで乗り気になり始める。うーん、そうは言ってもなあ。そうこうしているうちに、試合が動き出した。

「……さらに、悪魔の調理師(デビルズ・コック)を召喚。お前の手札に伏せカードはなく、すでにオネストは墓地。これで終わりだ」

 悪魔の調理師 攻1800

 さすがの葵ちゃんも、もう限界だろうか。銀河眼を打点で上回ったハングリーバーガーの攻撃を回避するには、銀河眼自身の効果を使ってお互いをゲームから除外させるしかない。だが、それをやってしまってはそのあとの悪魔の調理師の攻撃が素通しになる。頼みの綱のオネストも使い切った今、このまま攻撃を待つことしかできない。
 …………棄権、しよっかな。

「先輩、なに考えてんですか?黙って見ててくださいよ」
「あ、聞こえてた?」
「そりゃまあ、あれだけ大声で喋られたら。それに、もう遅いですよ」
「葵ちゃん、それってどういう」

 何がもう遅いのか、と聞こうとした瞬間、こちらを向いて喋っていた葵ちゃんがくるりと前を向き天田に対して声を張る。

「さあ、来なさい!葵流忍法、真正面から迎え撃ちます!」
「……その意気やよし。ハングリーバーガーで銀河眼の光子竜を攻撃、暴飲暴食メタボリック!」
「銀河眼の効果発動、銀河忍法コズミック・ワープ!戦闘を行う相手とこのカードを、ゲームから除外します!」

 2体のモンスターが銀河の隙間に消え、装備する対象のなくなった包み紙とポテトが地面に落ちる。これで葵ちゃんの場にカードはもうないが、天田にはまだ攻撃権のある悪魔の調理師が控えている。ふぅ、と一拍おいたのち、天田が口を開いた。

「……終わりだ。悪魔の調理師で―――――」
「させませんよ?」
「……む?」

 まるで目が笑ってない笑顔を浮かべ、攻撃宣言を遮る葵ちゃん。でも、もうこの状況でできることなんてたかが知れている。確か彼女のデッキにはクリボーは入ってるけどバトルフェーダーや速攻のかかしは入ってないはずだし。

「私は、いえ私たちはこの時をずっと待っていたんですよ………あなたがノース校(あちら)最後の一人です。手札から、ディメンション・ワンダラーの効果発動。銀河眼の光子竜が効果を使った時にこのカ
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