暁 〜小説投稿サイト〜
仮想空間の歌う少年
7ーリハーサル(序章)
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パターンだよね。
…面会時間過ぎてるし。はあ、仕方ないな…
俺は和人のところに行き、警備員さんに話しかけた。

「田中さん!この子面会許可してあげてよ。せっかく来たんだし。」
「ですが…関係者の須郷さんからも入れるなと…」
「この人、俺の恩人なんだ。だからお願い!」

警備員さんはため息をつきながら

「佳さんのお願いなら仕方ないですね。…特別ですよ?面会証管理お願いしますね。」
「了解です!」

警備員さんはそのまま見回りに行ってしまった。
すると和人は驚きの表情で

「流石…院長の息子だな。」
「まあね。ほらさっさと行く!」

俺たちは、(俺は2回目だが)明日奈の部屋に向かった。
彼女がいる部屋は夕日が差し込んでいて、それに照らされた彼女は儚げな感じだった。
和人は一言、二言明日奈に語りかけるとゆっくりと明日奈の髪を撫でる。須郷の時の様な嫌悪感は感じられず、あるべき自然の感じがそこにあった。
俺は和人に気付かれずに病室を出た。

「ふふ、あのカップルはいいね。」
「…父さん」

部屋を出ると父さんが笑いながら腕を組んで壁に寄りかかりながらたっていた。

「さっき来た婚約者さんよりもずっと婚約者らしいじゃないか。」
「聞いてたのかよ。…そうだね…あの世界であの2人は夫婦だったからね…父さん。結城さんは目覚めないの?」

父さんは少し難しい顔しながら

「どうだろう…わからないな…いつ目を醒ますかもな。だがお前の事だ。何かやってるんだろ?」

父さんは面白そうな…いたずらする子供を見る様な感じで見てきた。

「僅かな可能性に縋ってる…と言っとくね。まだまだ♪て感じかな。」
「そうか…あの事件の後引っ越してこっちに来てからお前ショックで性格変わったと思ったら今度はまた戻ったな。」
「そうかな?」
「ああ、たぶんそれはいい意味でだ。」

そう言うと父さんは「面会証ちゃんと戻せよ。ばれたら後でめんどくさくなるからな。」とだけを言い、仕事に戻って行った。
それと同時に和人が病室から出てきた。

「…ALO何時からにする?」
「そうだな…8時頃にログインしてくれ。」
「了解。」

俺たちはそれを言うと面会証をちゃんと返し、病院を後にした。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ALOへとダイブする前に少しご飯を買いにマンション近くのスーパーに行くと詩乃がいた。

「あれ?詩乃?これから夕食かい?」
「あ、佳。そうだけど…」
「なら一緒にしようぜ。手間省けるし、あ、もちろんワリカンね。」
「奢ると言わないところがしっかりしてるわね…」
「お金は大事だよ〜?てね」

漫才の様な会話をしながら適当に麻婆豆腐の材料を買って
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