拠点フェイズ 4
拠点フェイズ 北郷盾二
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―― 盾二 side 梁州回顧録から抜粋 ――
黄巾の乱が終わり、桃香は梁州という新しい州の刺史となることが決まった。
歴史に反することかもしれないが、俺はそれを選んだ。
後悔はしていない。
だが、やはり後ろめたさがある。
ゆえに、誰にも見せない、俺の心の内を綴った日記のようなものを書くことにした。
わざわざ大枚はたいて買った紙の書だ。
幸い、ポケットにボールペンがあったので、これで携帯しながら書ける。
いつか向こうの世界に戻った時、報告の必要もあるだろう。
多分俺は罰せられるかもしれないが……それでも俺がどう思ってこういう歴史改変をしたかを自分で思い出すためにも、報告書のつもりで書いていく。
元々は、スプリガンの試験のために始めた任務、あれからすべてが始まった。
その目的である銅鏡を手に入れた途端、一刀の頭がそれから出てきた闇のようなモノに喰われた。
遺体を背負って逃げていたら、追いつかれて……闇の中にいた。
何言っているかわからないかもだが、未だに俺にもよくわからない。
そして闇の中で変なオカマ声に導かれて、気がついたら目の前に三人の美少女がいた。
あ、いや。
報告書に美少女って書いていると、馬鹿か俺はって気になるが仕方ない。
(注)『向こうでちゃんとした報告書で書くときはこれを書き直すこと』
その少女たちは劉備、関羽、張飛という、中国三国志の英傑だという。
最初はなんの冗談かと思ったが、もしこれがタイムリープだとして、この頃は女尊男卑の世界から男尊女卑の世界になった時に、歴史書が書きなおされた可能性もあると思って受け入れた。
事実、女性であるのにその武力は、スーツを着た俺達以上だ。
以前、朧や優先輩から教わった『気』の力で強化されていると推察した。
AMスーツのサイコブローを使わせたら、多分とんでもないことになるんじゃないだろうか?
俺達の着る最新型は、俺達専用なのが少し残念だ。
ああ、忘れていた。
この世界に来たら、一刀の頭が戻っていた。
……変な言い回しだが、遺体が元に、ではなく、生きた一刀だ。
その事で、ここは時間が戻った世界ではないかと思ったのだが……それじゃあ俺はどうだとか色々不可思議なことは残る。
まあ、それはいい……俺にとっては一刀が生きていることが重要だから。
だが、その一刀は何日経とうと目を覚まさない。
なので、劉備という人(真名という風習がある、諱より重い習慣で知っていても許可した相手以外が呼んだら相手を殺していいらしい。怖い世界だ)の真名が桃香という。
ちなみに関羽は愛紗、張飛は鈴々という。
この三人が街に案内してくれて、一刀を医者(華佗という医
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