第十四話 幻の力その四
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「それならね」
「こうした攻撃を使ってか」
「闘うといいと思ってね」
それでだというのだ。
「試しに出してみたけれど」
「では今のはか」
「ええ、テストよ」
闘いの中で薊達の会話を聞いてそして出したものだというのだ。
「出来て何よりも」
「試しで出せるとはな」
「どうやら私の力も上がってるみたいね」
菫はこのこと、鎌ィ足を出せたことからも実感していた。
「いいことね」
「そうだな、だが」
怪人は確かにダメージを受けた、しかしだった。
まだ立っており目も死んでいない、それで周囲の気配を探りそれで間違いなく彼の近くにいるであろう菫を探した。
「まだ立っている」
「ええ、そうね」
「立っている限り負けはしない」
「その通りよ、今ので倒せないのはわかっていたわ」
菫の方でもというのだ。
「この程度ではね」
「貴様もか」
「そうよ、けれどね」
「しかしか」
「これで倒せないことがわかっているということは」
この考えから至る結論は、というのだ。
「次の攻撃があるということよ」
「そうなるか」
「ええ、もっとも貴方もよね」
「気配はわかった」
霧と分身達に囲まれたその中でもだというのだ。
「後はそこにだ」
「来るつもりね」
「これで決める」
こうだ、菫に対して言うのだった。
「覚悟はいいな」
「そうね、来るのならね」
「貴様もか」
「ええ、やらせてもらうわ」
菫は怪人が見えている、幻のその中でもだ。それだけに今の状況は彼女の方が有利であると言えた。しかし。
菫はその中でも油断していなかった、それでだった。
怪人が確かに彼女の方に顔を向けて突進する用意をしているのを見てだ、そのうえで薙刀を構えてだった。
そしてだ、怪人が突進して来るとだった。
薙刀を下に払った、薙刀の脛だ、それで足を斬ろうとしたのだ。
しかし怪人はそれを咄嗟に上に跳んでかわした、突進しながらだったので跳躍は前にも向かった。
怪人は前に跳びつつ己の脛を攻撃してきた菫をその足で上から蹴ろうとする、しかし。
それより前にだった、菫は。
怪人がそうして来るのを読んでいた、それでだった。
その怪人を素早く己の元に戻していた薙刀で突き上げた、薙刀の底を上に回してそれで怪人の頭を打ったのだ。
それで動きを止めてだ、そうしてから。
後ろにもんどりうった形で吹き飛んだ怪人を前にして垂直に跳んだ、その跳躍の頂上で。
身体を丸めて前転し後ろに吹き飛ばされ倒れながらも何とか起き上がった怪人に向けて脚から急降下した、そこから。
蹴りを放った、その蹴りは右足で左から右に、まさに薙刀の斬る要領で放ったものだった。足には紫の気、よく見ればそこも鎌ィ足のそれを宿していた。その蹴りでだっ
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