第十四話 幻の力その一
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第十四話 幻の力
向日葵は闘いに勝った、だが。
菫はまだ闘っている、馬の怪人と薙刀でだ。
薙刀を縦横に振るい突進してくる怪人を斬ろうとする、だが。
怪人はその斬撃をかわす、そのうえで一撃離脱で攻撃を仕掛けてくる。
攻撃を仕掛けてはそのまま駆け過ぎて反転してまた突撃して攻撃を繰り出す、桜はその怪人の攻撃を見て言った。
「何といいますか」
「馬、だよな」
薊がこうその桜に答えた。
「あの攻撃の仕方は」
「そうですよね」
「馬ってのは走るからな」
「その特性を利用してですね」
「一撃離脱だな」
「その攻撃の仕方ですね」
「ああ、ただな」
薊は怪人のその闘い方を見ながら桜に述べた。
「あいつはな」
「一撃離脱は得意ですが」
「ドッグファイトはな」
「接近しての攻防はですね」
「それは不得意みたいだな」
「そうですね」
桜も薊のその指摘に応える。
「馬だけに」
「そう考えると闘い方があるけれどな」
「ただ、菫さんは」
「薙刀、な」
今度は薙刀について言う薊だった。
「あたし薙刀と勝負したことがあるんだよ」
「そうだったのですか」
「違うジャンルの格闘技なり武道なりと稽古するとな」
そうした経験は、というのだ。
「それでかなり勉強になるからな」
「拳法のですね」
「そうだよ、それをしたんだけれどな」
「如何だったでしょうか」
「目茶苦茶強かったよ」
その薙刀使いは、というのだ。薊は桜にこのことをいささか苦笑いになって話した。
「間合いが違うんだよ」
「棒よりも長いですね」
「しかも速いんだよ」
薙刀のその動きが、というのだ。
「遠心力で思いきり振ってくるからな」
「そうですね、両手で振りますから」
「剣道よりもな」
その竹刀よりもというのだ。
「速いんだよ、しかも突きがあって脛もな」
「脛ですか」
「あれが一番やばかったな」
薙刀の攻撃の中でも、というのだ。
「脚ってのはさ」
「はい、攻撃対象でない格闘技も多いですね」
ボクシング等だ、ボクシングは腰から下を攻撃してはならないのだ。
「ですから」
「あたしの拳法は違うけれどさ」
「それでもですね」
「脛を特に狙われるとな」
「危うかったですか」
「痛かったよ」
脛を打たれて、というのだ。
「ちょっと足を出したらな」
「そこを狙われて」
「やられるんだよ、薙刀のリーチもあるしな」
「だからこそですね」
「薙刀は強いよ」
薊はその強さをはっきりと認めた。
「そうそう闘えない位にな」
「そこまでの強さですね」
「ああ、だからな」
それだけ強いからだというのだ。
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