第十一幕その四
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そのうえで、です。こう木樵に尋ねたのでした。
「お城の中かしら」
「そうだよ、じゃあね」
「それじゃあよね」
「そう、今からお城の中に入ってね」
そうしてというのです。
「かかし君と会おう」
「そうしましょう、けれどかかしさんも来ているなんて」
「そうなんだ、たまたまお城まで遊びに来ていたんだ」
かかしと木樵は親友同士です、ですからお互いのお家を行き来しています。そうしていつも楽しく遊んでいるのです。
それで、です。今もだというのです。
「いいタイミングだったね」
「そうね、後でかかしさんのお城にも行くつもりだったけれど」
それがというのです。
「丁度よかったわ」
「そうだね、では中に入ろう」
こうしてでした、皆はブリキの木樵のお城に入りました。勿論お城の中も全てブリキです。椅子もテーブルも他の家具もです。
その中を進んで、でした。そのうえで。
お城の皇帝つまり木樵との謁見の間に入るとでした、そこにはです。
かかしがいました、かかしは一行の姿を見ると恭しく頭を下げてからそのうえでこう挨拶の言葉を述べてきました。
「お久しぶりです、皆様方」
「かかしさんお久しぶりです」
「かかしさんもお元気そうですね」
「うん、この通りね」
にこにことしてです、かかしは皆に言うのでした。
「僕は何時でも元気だよ」
「ええ、私も会えて嬉しいわ」
笑顔で言ったドロシーでした、かかしに。
「それでだけれど」
「さて、これからエメラルドの都でオズマのパーティーが開かれるね」
かかしはドロシーににこりと笑って言いました。
「そうだね」
「ええ、だからね」
「皆と一緒にだね」
「エメラルドの都に行かない?」
ドロシーもです、かかしににこりとして言うのでした。
「そうしようと思ってお誘いに来たのだけれど」
「最高の申し出だよ」
これがかかしの返事でした。
「これ以上はない位にね」
「それじゃあね」
「一緒にエメラルドの都に行こう」
かかしは自分からも言いました。
「今からね」
「それじゃあ今すぐにかな」
トトがかかしにこう言いました。
「出発かな」
「いや、もうお昼だよ」
かかしはそのトトにすぐに答えました。
「だからね」
「今はなんだ」
「そう、僕と木樵君はいいけれど」
この人達は食べる必要はありません、ですがそれでもだというのです。
「君達は違うからね」
「お昼御飯は用意出来るよ」
木樵が笑顔で皆に言ってきました。
「何でもね」
「えっ、木樵さんのお城でもですか?」
カルロスは木樵の今の言葉に目を丸くさせて木樵に問い返しました。
「お料理が出るんですか」
「確かに僕は何も食べないよ」
木樵はカルロスの問いに答えました。
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