第十一幕その三
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ブリキの花壇と花達、泉があってです。
ドロシーやモジャボロ、かかしにオズマに臆病ライオンといったオズの名士達のブリキの像もありました。勿論木樵のものもあります。
その像を見てです、五人はしみじみとして言いました。
「まさにですね」
「木樵さんのお城ですね、ここは」
「何でもかんでもブリキで」
「ぴかぴかに光っていて」
「それにドロシーさんの像もあって」
そのブリキの像を見ながらの言葉です。
「やっぱりドロシーさんは木樵さんのお友達ですね」
「しかもオズの国の英雄なんですね」
「私英雄じゃないわよ」
ドロシーは笑って英雄という言葉は否定しました。
「全然ね」
「いえ、違いますよ」
「やっぱりドロシーさんは英雄ですよ」
「悪い魔女を二人もやっつけてオズの国の沢山の人を救った」
「英雄じゃないですか」
「私が狙ってやったんじゃないわよ」
それは違うというのです。
「だからね」
「それで、ですか」
「ドロシーさんは英雄じゃないんですか」
「じゃあ只の女の子ですか?」
「ドロシーさんなんですね」
「そうよ、私は私よ」
これまでと変わらないです、ドロシーだというのです。
「英雄でもないわよ」
「そうですか、英雄じゃなくて」
「ドロシーさんですか」
「いつもと同じ」
「そうよ、けれど木樵さんはね」
皆が今いるブリキの城の主はいうのです。
「英雄よ、かかしさん達と同じ」
「そうですか、木樵さんはですか」
「英雄なんですね」
「そう、とても優しくて頼りになるね」
そうした英雄だというのです、ブリキの木樵は。
「あんないい人はそうはいないわよ」
「ははは、僕も英雄なんかじゃないよ」
ここで、でした。一行が今いる像達の前から少し離れた場所から声がしてきました。
「僕も只の木樵だよ」
「あっ、そのお声は」
「木樵さんですね」
「そうだよ、皆久しぶりだね」
こう言ってでした、木樵が皆のところに出て来てなのでした。
笑顔で、です。こう皆に言うのでした。
「ようこそ、我が城に」
「木樵さん、お久しぶりです」
「お元気そうで何よりです」
「僕は何時でも元気だよ」
木樵は一行ににこにことして言うのでした。
「何しろ怪我も病気もしない身体だからね」
「だからいつもですか」
「元気なんですね」
「うん、そうだよ」
こう言うのでした。
「僕はね」
「そうですね、それでなんですけれど」
「ここに来たのは」
「あれだね、今から一緒にエメラルドの都に行くんだね」
「ええ、そのお誘いにね」
ドロシーがにこりとして木樵にお話しました。
「皆で来たのよ」
「有り難いね、それじゃあね」
「今から一緒にエメラルドの都に行きましょう」
「そうしよう、幸い今
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