第十一幕その一
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第十一幕 ブリキの城で
一行はカドリングの国からです、川を下ってなのでした。
ウィンキーの国に向かいます、一行を乗せている船は川をどんどん下っていきます。その船の中で、でした。
モジャボロは皆にです、こう言いました。
「スクーグラーの国のすぐ傍にこの川があってね」
「ウィンキーの国にですね」
「行くことが出来るんですね」
「そう、だからね」
それでだというのです。
「スクーグラーの国に行くって決めた時にもう決めていたんだ」
「ウィンキーの国に行くならですか」
「この川を使おうって」
「そうだよ。移動には川も使えるからね」
船を使ってです、今の彼等の様に。
「だからね」
「川はいいですよね」
しみじみとした口調で、でした。ナターシャはモジャボロに微笑んで言いました。
「寝ていても動きますから」
「そうそう、歩いていたら寝ていると動けないよね」
「けれど船は違いますね」
「寝ている間も動いてくれるよ」
船の方で、というのです。
「特にこの船はね」
「スクーグラーさんの船じゃないんですか?」
恵梨香がモジャボロに船のことを尋ねました。
「この船は」
「違うよ、グリンダの船だよ」
「じゃあ魔法の船ですね」
「そうだよ、自分で動いてくれるね」
「カドリングからウィンキーへ行き来する為に」
「グリンダが作ってくれたんだ」
そうだったというのです。
「それで今僕達もね」
「この船で、ですね」
「ウィンキーの国に行くんだ」
「そうですか、それじゃあ」
「うん、ウィンキーまではすぐだよ」
本当に寝ていても船が動いてくれてです。ウィンキーの国に行ってくれるというのです。
「そしてウィンキーの国に着いたら」
「かかしさん、木樵さん達と合流して」
「それからエメラルドの都に行こうね」
「わかりました」
恵梨香はモジャボロに笑顔で応えました、そしてでした。
ずっと歩いての旅を楽しんでいた一行は今度は船旅を楽しむのでした、船はどんどんウィンキーに向かっていきます。
その中で、です。カルロスは目を細めて皆に言いました。船の左右はカドリングの赤い世界が広がっています。
「川はいいよね」
「そうね、カルロスのお国もね」
「川があるから」
こうナターシャに答えます。
「船で皆移動しているよ」
「アマゾン川だったわね」
ナターシャはこうカルロスに応えました。
「ブラジルの川は」
「そうだよ、あの大きな川だよ」
「あの川はアマゾンのジャングルにあるから」
「色々な動物もいてね」
「皆が船で行き来していて」
「そう、皆の役に立っているんだ」
それがアマゾン川だというのです。
「凄くね」
「そうね、貴方の国でもね」
「ロシ
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