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ん。」

すると部屋の奥から微かに聞こえてきた。


「なんで・・・なんで善人ぶる。・・・お前も・・・見ぬふりしてたのに。」


俺は何も言えなかった。
見て見ぬふりをして逃げてきたから。


「僕は・・・僕なんてゴミなんだ。ずっとそう言われ続けてきた。いらないんだ。」

西原の声はかすれていてそう言った。



「僕はいないほうがいいんだ。ゴミは処分されるんだ。」




前に、西原がいじめられているところを目撃したことがある。
ゴミ捨て場で、次から次へと頭に生ごみやガラスまで。



「おい、西原何言ってんだよ・・・。」

俺は言葉に詰まった。
何を言ったらいい?わからなかった。


「・・・・・・帰ってくれ。偽善者。」



西原の言葉は俺の心にグサッて強く刺さった。



「ごめん。」





そう言って俺は足早に西原の家をあとにした。






西原の言葉。そしてあの部屋の嫌な気配が俺の頭に残った。





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