40話
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を感じる。
途端に寒気が俺を襲う。
空っぽなんだきっと。
そして、顔を見て思う。
(この眼帯のように両目を覆う布。これは俺の『魔眼』のせいか?)
もう、普通の目ではないと?
俺には目がないとでも?
背中の棺桶。
(一体何を背負っているんだろうな、何もない体で、一体何を背負えるっていうんだろうな)
前世の自分なのか?
なら本体はそっちだったりしてな。
カッコイイなんて思えない。
ただ、
「気持ち悪い」
「え?」
俺の言葉に岳羽さんが疑問符で返してくる。
しかし、俺の口からはそんな言葉しか出てこない。
「気持ち悪いな・・・このペルソナは」
気持ち悪い。
なんでこんなにも気持ち悪いのか。
こみ上げてくる嘔吐感。
なんだ?
なんなんだこの不快感は?
周りのメンバーも俺の言葉に疑問を思ったのか声をかけてきた。
「そうか?俺のボリュトゥークスよりよほどカッコイイと思うがな。まぁ、あれはあれの筋肉に美しさが集中しすぎているのもあるがな」
『まさに魔術師タイプのようではないか。君にピッタリだと思うが?』
真田先輩と桐条先輩がそう言う。
「気持ち悪い」
俺はそれだけを答え、心底嫌そうに自分のペルソナを見る。
吐き気が止まらない。
(俺の心の仮面はこんなにも薄っぺらいのか)
シンのステータスは魔と速が異様に高い。
しかし、逆に力と耐は低い。
特に力に関しては皆無だ。
(俺の本性ってか?俺には中身がない、そう言いたいのかよ)
もしペルソナ4に自分がいたら、このペルソナを自分と認めることだけは一生しないと思える。
それほどまでの嫌悪感を感じる。
これは同族嫌悪なのか、それともそれ以外のものから来るものなのか。
(これ以上、見ていたくない)
そう思い、自分のペルソナを睨み付けた後、俺はペルソナをしまう。
すると、抜け出ていた物が戻ってきたような感覚になり、どこか落ち着く。
「チッ」
思わず舌打ちをする。
さっきまで出ていた物が俺の一部だと再確認させられたようだ。
苛立ちが募る。
まるで、食べ物ではないのに、それを食べてしまった時になんの違和感もないことに、逆に違和感を抱く感じ。
そして、序盤からハイレベルな魔法を覚えていること。
きっとこれは俺の『転生』を意味しているのだろう。
自分の全てを見透かされたような感覚。
気分が悪い、寮にいたならすぐさま洗面台に向かうかトイレに駆け込むだろう。
何故自分がこんな嫌な思いをしなければならないんだ。
自分の口元を押さえる
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ