暁 〜小説投稿サイト〜
dark of exorcist 〜穢れた聖職者〜
第21話「アイリス・アリシアペア 近づく“殺戮”」
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ルバートのことも。悪魔であるべリアルのことも。
パートナーであり、恩人のクリスのことも。

現在(いま)の姿を知っていても、仲間達の過去に関して知らないことだらけだった。

「(いつか聞けるといいな……)」






















―――同時刻


とある建物の裏路地。
そこには、黒Yシャツに灰髪の男が、疲れた様子で座り込んでいた。

「クソッ………屑共が……この俺を……よくも…………」

フォカロルだった。
キリシマとの戦いを終え、フランスからロシアまで逃げてきたのだ。
右腕と腹には、パトリックの長槍によってつけられた刺し傷が残っていた。
出血は既に止まっていたが、傷が深く体力の回復で手一杯の状況に陥っていた。


「おいおい、無様だなぁフォカロル?」

フォカロルの目の前には、いつの間にかニット帽を被った青年が立っていた。
ニット帽を被った青年の眼は、薄暗い裏路地でも分かるほど赤く光っている。

「…………何の用だ、グラーシャ・ラボラス」

「なんだよ、折角会いに来てやったのによぉ………ぶっははは!!」

「何がおかしい? あ?」

「わりぃ、ぶっはは、悪魔狩りに腕と腹刺されるとかマジウケる……ぶっくくくく……」



「あぁ、そうだ。フォカロル、気づいてるか?」

「…………近くに悪魔狩り……2人……女か?」

「そうだ、つーわけで行ってくるわ〜」



グラーシャ・ラボラスは指をパキパキと鳴らし、ゆっくりとした足取りで裏路地を出た。
その後ろ姿を、フォカロルは憎悪に満ちた顔で見つめた。

「クソッ、あの屑共を殺し損ねていなければ…………!」

フォカロルの脳裏に、自分を苦しめた2人の悪魔狩りの姿が浮かんだ。











「なーんだ、超弱そうな悪魔狩り共だなぁ」


アイリスとアリシアのもとに“殺戮”が迫っていた。
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