―絶望の手がかり―
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だして嬉しいのか、カンテラが少し余裕余裕を取り戻したのか、キキキと喉から鳴き声を漏らした。そして、その融合から儀式に繋げるコンボは――明日香は《融合準備》ではなく、《融合回収》を使っていたが――明日香が良く使用していたコンボであり、カンテラのデッキが明日香のデッキだという確信を強める。
「《高等儀式術》を発動! デッキから通常モンスターを墓地に送り――」
「おい。お前、明日香って奴を……知ってるか?」
こちらに《高等儀式術》を止める手段はない。《高等儀式術》によって儀式モンスターが降臨する前に、俺はカンテラに声を震わせながらも聞いた。明日香の手がかりを知るチャンス、だと思いながらも、心のどこかではカンテラが、『そんな奴は知らない』と言ってくれることを願っていたかも知れない。
「明日香ぁ? ……キキキ、このデッキの前の持ち主は、そんな名前だったかねぇ……」
――かくしてカンテラから語られたことは、明日香の手がかりとなるに相応しい情報ではあった。だが、なら何故カンテラがその明日香のデッキを持っているのか。その新しい謎とともに、俺の頭に最悪の光景が去来する。
「んでそんなこと聞くかは知らねぇが、キキキ……そんなことを考えてるヒマはねぇ! 《サイバー・エンジェル−荼吉尼−》を儀式召喚!」
そして儀式によって降臨する、《サイバー・エンジェル−荼吉尼−》。八つの腕にそれぞれの刃を持ち、こちらの《パワー・ツール・ドラゴン》のことを睥睨する。そんな最強のサイバー・エンジェルの登場に、明日香に起きている《最悪の状況》のことをどうにか頭から放り出すと、サイバー・エンジェル−荼吉尼−の効果の発動に備えた。
「サイバー・エンジェル−荼吉尼−は特殊召喚された時、相手はモンスターを一枚選んで破壊する! キキキ……お前のフィールドには一体しかいないがね……」
必然的に破壊されるのは《パワー・ツール・ドラゴン》。《サイバー・エンジェル−荼吉尼−》の八つの刃がパワー・ツール・ドラゴンに迫ったが、その攻撃をパワー・ツール・ドラゴンは、自身の翼に装備された《サイクロン・ウィング》を犠牲にすることで、その破壊を免れる。
「《パワー・ツール・ドラゴン》は装備魔法を破壊することで、自身の破壊を免れる。イクイップ・アーマード!」
「キキキ……なら直接破壊するまでだぁ! サイバー・エンジェル−荼吉尼−でパワー・ツール・ドラゴンに攻撃!」
効果破壊を防ぐことは出来たものの、サイバー・エンジェル−荼吉尼−の八つの刃による攻撃はまだまだ続いている。さらに連撃をたたき込もうとする最強のサイバー・エンジェルの前に、くず鉄で作り出されたかかしが立ちはだかった。
「《くず鉄のかかし》を発動! その攻撃を無効に……」
最強のサ
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