―絶望の手がかり―
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を閉め、キキキ、と嫌らしい音を鳴きながら、俺のデュエルディスクと鍔迫り合いを演じた剣を鞘に仕舞った。
「カンテラ……だったか? お前」
そこにいたのは、先程スパルタスが部下として紹介した戦士の部下の一人の、ヒロイックの戦士であるカンテラ――モンスターとしては、《H・C カンテラ》という名前だったか。
「要するに邪魔なのさ。覇王への反攻作戦が始まろ〜って時に、アンタみたいな奴が来ちゃ、本当はどうあれ救世主になっちまうからなぁ……」
キキキ、とまたもや耳障りな鳴き声が俺の耳に響く。そんな今さらどんな物語にも通じないような、陳腐な理由で殺されてたまるかと立ち上がる。対してカンテラも、その腕に装着していたデュエルディスクを展開する。
「キキキ……さっきのデュエルを見てりゃ、テメェのデッキは酷いもんだった。まだ改造する暇もねぇはずだよなぁ……」
まだこちらがデュエルディスクを展開する暇もなく、カンテラはキキキと耳障りな音をたてながら、自身のデュエルディスクから五枚のカードを引いていく。このままでは、カンテラが召喚したモンスターに良いようにやられてしまうと、こちらも対抗しようとした時……俺の行動が止められた。カンテラが行った、ある一つのことにより。
「俺は《融合》を発動! 《エトワール・サイバー》と《ブレード・スケーター》を融合し――《サイバー・ブレイダー》を融合召喚!」
……俺の前に現れたのは銀幕の女王。その見知ったモンスターの姿に、俺は言葉を失うとともに驚愕する。《サイバー・ブレイダー》――もはや説明不要の彼女のカードに。
「……そのカードを……ッ!」
「キキ?」
「……そのカードを、どこで手に入れたあッ!?」
このボロボロの部屋が崩れ去るかのような俺の咆哮に、空中に飛び上がっていた砂埃とカードが再び舞い上がっていき、カンテラの不愉快な鳴き声が消える。だが、カンテラはすぐにその余裕を取り戻すと、キキキと口角を上げた。
「キキキ、デュエルで勝ったら教えてやろうじゃねぇか……」
「……そうかい……」
カンテラを力の限り睨みつけながら、俺もデュエルディスクを展開する。カンテラは俺の目つきに蹴落とされたのか、無意識に一歩その場から下がったものの、そのデュエルディスクに入った俺のデッキのことを思い出したのか、キキキ、と鳴いて踏みとどまった。
「な、ならオレはこれでターンエンドよ! 早くカードを引きなぁ!」
カンテラの煽ってくる言葉を無視すると、俺は気づかないうちに万力のような力を込めていた拳を開くと、その手をカードが舞い上がっている上空にかかげた。すると、無意識に自らの血にまみれていた手に、空中に舞い上がっていたカードたちが集まっていく。見ている暇もなく、舞い上
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