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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―絶望の手がかり―
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「キキキ……一分間何も行動しなかったプレイヤーはターンを放棄したと見なされる……オレのターン、ドロー!」

 ……これは異世界のデュエル。俺たちが知っているデュエルとは違う、そのことは承知していた筈なのに。そのルールによって俺のターンは終了し、カンテラのターンへと移行する。尻餅をついていたカンテラは壁を背にして起き上がり、俺から逃げるようにしながらカードをドローした。

「速攻魔法《神秘の中華鍋》を発動し、《サイバー・エンジェル−荼吉尼−》を墓地に送り、ライフを攻撃力分だけ回復する。……さらに墓地のモンスターを除外し、手札のこのモンスターを特殊召喚する!」

 《サイバー・エンジェル−荼吉尼−》が墓地に送られるとともに、カンテラの背後から巨大な石盤とそのモンスターの影が浮かび上がって来る。明日香のデッキに似つかわしくない、悪魔のようなモンスターの姿が。

「墓地の闇属性・悪魔族モンスター三体と、光属性・天使族モンスターを除外することで、キキキ……現れろぉ、《天魔神 ノーレラス》!」

 四体のモンスターがカンテラの背後の石盤に吸収されると、耐えきれなくなったかのように破壊され、封印が解けたかのように悪魔が石盤から姿を見せた。サイバー・エンジェルたちとは程遠く、石盤に吸収されていった悪魔と天使を継ぎ接ぎにしたような、そんなモンスターだった。

 あの《カオス》モンスターと似たような召喚条件を持った、《天魔神》というシリーズカードの中の一枚かつ、最も強力なモンスターである《天魔神 ノーレラス》。墓地の闇属性・悪魔族モンスター三体と、光属性・天使族一体を除外する、という厳しい召喚条件を備えていて、明日香のデッキに元々入っていたカードではない。墓地に悪魔族を送っていたのは、《サイバー・エンジェル−荼吉尼−》を《高等儀式術》で儀式召喚した時しかない。

 明日香のデッキを改造したことに対して憤っていると、最強の天魔神。ノーレラスの効果が起動しようとしていた。

「キキキ……《天魔神 ノーレラス》の効果を発動! 1000ポイントのライフを払い、フィールドのカードとお互いの手札を全て墓地に送る! セメタリー・オブ・インパクト!」

カンテラLP3100→2100

 今、この世界を構成している祝福の教会にヒビが入っていく。それと同時に《パワー・ツール・ドラゴン》の耐性効果すらも意に介さず、世界全てを破壊し尽くそうとしている、《天魔神 ノーレラス》本体ですらも。ピシィ、と一際強大な音が響き、ノーレラスの手によって全てが抹消された。

「さらにオレは一枚ドロー! ……キキキ……今引いた《死者蘇生》を――!?」

 《神秘の中華鍋》でライフポイントを回復し、《天魔神 ノーレラス》の効果のライフコストを確保して、フィールドのカ
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