第2話 また、会いにくるよ
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えた超人。
勉学も完全記憶能力があるためなんら問題なく、たとえそれがなくとも束ほどではないにしろ追随する程度には優秀である。
そんな化け物みたいな超人が新たな能力を得るとはつまりますます孤独になるということ。
そんなこと結弦は望んでいなかった。
「あなたが嫌がるのもわかります。これまで以上に孤独になるやもしれないことも。でも、あなたのいま生きる世界は前まで生きてきた世界と似ていても、違う世界です。これから先、必要と成るときがきっと……多分、来ます。だから授けました」
「……わかった。あなたは僕の身を安んじて能力を授けた。ならば、素直に感謝しよう。それで僕に授けた能力とは?」
「一つ目の能力は魔眼。極近未来を読む力をもつギアスと呼ばれる魔眼です」
「極近未来を読む力をもつ魔眼か……。未来が見えるのならば身の危険はだいぶ下がるな。僕の演算と合わせればより強力になる。もう一つは?」
「錬環頸氣功と呼ばれる操体術を。自らに宿る氣と大気中の氣を自在に操ることができます。これにより肉体の強化、五感の強化、索敵能力など、臨機応変に対応ができます」
「氣を操る操体術か。確か仙人が扱う秘術だったか。いずれ扱えるようになるとは思っていたが、もう使えるようになるとは」
「え?いずれ扱えるようになると思っていたんですか?」
「ああ。あのまま生きていたら死ぬ前には会得できてしまいそうだと思っていた」
「……そうですか」
まさか本心でいっていると思っていなかった女神は少し呆れてしまう。
だが、確かに生きているうちにはできてしまいそうだと思えるあたり、本当に才の塊なのだと思える。
その後、能力の説明をして互いのことを語りあった。
それは女神にとっても結弦にとっても楽しい時間だった。
あの結弦が穏やかな表情をしていたのだ。
とても有意義で価値のある時間だったのだろう。
女神は結弦の顔をほんのりと頬を赤く染め見つめていた。
「さて、そろそろ戻るとするよ」
「……そうですか」
どれほどの時間が経ったのだろう。
この真っ白な空間に時間という概念はないが現実では1日は経っただろう。
あっという間に時間が過ぎ、女神は名残惜しくなる。
いままで生きてきた中でもっとも楽しい時間だった。
それだけになおさら結弦との別れが辛く感じた。
「そういえば聞いてなかった。女神、あなたの名前を教えてほしい」
「私の名前ですか?」
「そうだ。親しき者とは名で呼び合うのだろう?」
「っ!」
嬉しい。
結弦が私のことを親しき者と言ってくれた。
女神は結弦への気持ちで胸が熱くなる。
いつの間に
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