第2話 また、会いにくるよ
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に入り出している。
たとえ、そうなるよう自分が仕向けたとしても嫌だった。
女神は結弦を転生させてからずっと結弦を天から覗き見守っていた。
我が子を見守る母のように。
そこで見たのは、人形のような結弦。
思わず、本当に人間かと疑ってしまったほどだ。
転生する前の結弦を幼くした容姿で違うところは紅かった瞳が鮮やかな菖蒲色に変わっていたところだけ。
つまり転生前の人間離れした美貌のままだった。
そんな容姿を持つ結弦を人形のように見えてしまえば人間とは思えなかった。
でも、ずっと見守っていてわかったこともあった。
結弦は泣いていた。
涙を見せることはなかったが、常に泣いていた。
自分の隣に立てる人がいないから。
記憶はなくとも、人格がなくとも、魂は覚えている。
ひとりは寂しいと。
たとえ本人に自覚がなくとも。
それに気がついた女神はより一層結弦を見守った。
自分が降臨して隣に立ってやろうかとも思った。
実行はできなかったが。
そして見守るうちに気づいたのだ。
自分が結弦に持った感情の正体を。
だからこそ、余計に悲しくなる。
自分よりも先に結弦に気に入られる束に嫉妬する。
それでも、顔に出すことはない。
女神だから。
世界を管理し見守る女神だから。
ひとりの人間にそれほどまでの感情は抱いてはいけないから。
だからうちにしまう。
悟られないように。
「それにしてもこれほど早く再開するとは思わなかった。また死んだときに会うものだと」
「一応、いつでも私からアプローチすればいつでも会えるのですよ。今回は記憶がしっかり戻ったかどうかの確認とあなたの体についてお話ししておこうと思いまして」
「そうか。記憶は元に戻った。なんら問題ない」
「それは良かったです」
女神は微笑む。
「では、あなたの体についてですが、身体能力は前とかわりはありません。むしろ向上しているかもです」
「それはいまの状態でか?それとも前と同じ年になった時か?」
「いまの状態で、です」
「……そうか」
結弦は頭を抱える。
女神が言っていることが本当なら、これからだいぶ苦労するだろうから。
「次に私はあなたにある能力を2つ授けました」
「待ってくれ。この僕に能力を2つ与えたのか?」
「はい」
「…………そうか」
結弦は頭が痛くなってきた。
霊体であるにもかかわらず。
もともと結弦は何をやっても超人だった。
走れば世界記録を更新し、武術でもわずか数ヶ月で免許皆伝してしまう。圧倒的な心・技・体を備
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