第2話 また、会いにくるよ
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ん」
「そうか!なら早く大きくならないよな!それで、何して遊ぶ?かけっこか?鬼ごっこか?なんでもいいぞ!」
「僕は遊んだことがない。小さき姉が決めてくれ。それと、僕はまだ朝食をとっていない。それまで待ってくれ」
「わかった。私もまだ朝食の途中だったし、食べ終わったら遊ぼう」
その後結弦が朝食を食べ終える頃に束はリビングに入って来て、結弦がなぜ喋り出したのかを柳韻と岬に聞かれた。
束は結弦にされた説明をそのまま話した。
そのとき結弦は箒と一緒に道場で遊んでいた。
束は説明し終えるとさっさと朝食をとって結弦の元に向かい、ふたりの遊びに乱入した。
箒は束の乱入に怒っていたがそれでもはじめて姉と弟と遊ぶことができて嬉しかった。
3人で遊んでいると時が経つのが早く夕暮れ時となり結弦の誕生会をした。
柳韻も岬も束と箒の笑顔と結弦の薄っすらと浮かべた笑みに口元がほころび、楽しい誕生会となった。
この日はじめて篠ノ之家がひとつになったのだ。
いつもどうり結弦は束とベットに入り目をつむるとすぐに眠りについた。
目を開けるとそこは何時ぞやの真っ白な空間。
歩みを進めると人影が見え始める。
前にも見た美しい女性。
女神だ。
女神は笑顔で結弦を迎え入れた。
「3年振りですね結弦さん」
「僕からしたらさっき会ったばかりだがな」
「そうですね。確かにそうです」
女神は笑顔で言う。
「……ありがとう」
結弦がボソッとつぶやく。
「?何がですか?」
「あの世界に転生させてくれただろう。だからありがとう」
結弦が笑みを浮かべる。
「その様子だと気に入っていただけたようですね」
女神は先ほどとは違う我が子を見守るような笑みで結弦をみつめた。
「ああ、僕以外にも似た境遇の少女がいた。はじめて見た。灰色ではない人間を。いまなら女神、あなたも色づいて見える」
結弦ははじめて見たとき女神も灰色に見えていた。
だか、いまみると腰まである長い金色の髪もその大きな金色の瞳も結弦の目にはしっかり色づいて写っていた。
「わ、私も灰色に見えていたんですね……」
それを知った女神は落ち込む。
自分が結弦が今まで会って来た人間と同じ有象無象だったと知って。
まさか、私まで灰色に見えていたなんて……それなのに篠ノ之束は色づいて見えたってことは私より篠ノ之束の方が優れているってこと?
だとしたら嫌だな、と思う。
いままで何人かの人間を転生させて来たけどここまで面白くて気に入る人間はいないだろう。
そして自分の気に入った結弦が自分ではなく他の人物、それも女を同胞ということで無条件に気
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