プロローグ
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を過ごして。
青年の人生は幕を下ろしたのだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
青年が記憶の捜索から帰ってくると、目の前には一人の女性が立っていた。
金色の腰まで伸ばした長い髪に金色の大きな瞳。
ぷっくりとした唇にスッと高い小鼻。
口元は微笑を浮かべている。
身体つきも背は高く出るところは出ていて、それでいてしっかりと腰のくびれもある。
まさに美を体現した女性が立っていた。
しかし青年はそんな女性を目の前にしても何ら興味を示さない。
見飽きたのだ。
自分の美に自信のある女性たちに散々誘惑されてきた青年にとって目の前の女性も何ら変わらない。
確かにいままで見てきた女性と比べるまでもなく目の前の女性は美しいが、その程度だ。
「よくぞ参られました結弦さま。ここは神層界。神に認められし方しか──あの?聞いてますか?」
女性が何か言っているが青年──結弦は無視を決め込み、周りを再び観察し始める。
そんな結弦に女性も戸惑っていた。
いままでいろんな人間を見てきたがあんな興味もないといった反応をされたのは初めてだった。
さらには話しかけたのにそれを無視されるのも。
この野郎と睨みつけるように結弦を見ると思わず見惚れてしまった。
何も写していない鋭い紅い瞳に。
肩まで伸ばした常闇の髪に。
何もかもつまらなそうに何の興味も持っていない表情に。
結弦は女神に負けないほどの美を兼ね備えていた。
先ほどは久々に来た人間にとりあえず声をかけただけだった。
そのため結弦がどんな容姿なのかをしっかりとは見ていない。
だからもう一度見た結弦は最初に見たときとは全くの別人に見えた。
背は高く、鍛えているのか筋肉もうっすらと盛り上がっている。
肌は誰よりも白いんじゃと思えるほど白く、シミも目に見えるところには見当たらない。
そんな白い肌とは対照的な常闇の髪はすべての女性が羨むほどさらさらと流れるように結弦が動くたびに靡き、その髪から除く紅い瞳はとても澄んでいるにもかかわらず、何も写してはいない。
女神は結弦を人形のようだと思った。
ただ動くだけの人形。
血の通った人間の姿をした人形。
でもそんな結弦に女神は興味を持った。
もともとここに来ることができたということは、その資格があったということだ。
ならば、この人形のような人間がこの先どうなるか見てやろうと思う。
だから、提案する。
きっと、興味を持つだろう。
結弦にとっては、
望んだ存在がそこにいるのだから。
──転生してみませんか?
女神は先ほどよりも柔らかい笑みを浮
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