マクロスF
0672話
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うちで医者も務めている奴に任せておけばいい」
「カナリアねぇ。まぁ、いいけど」
「言っておくが、カナリアはお前の事を知らない。と言うよりも、お前の詳しい事情を知っているのは俺と艦長の2人だけだ。妙な事は口に出すなよ」
「ならどんな風に言えばいいんだ? まだ、このフロンティア船団の事も良く知らない俺が」
「別に自分から何かを言う必要は無いさ。このS.M.Sには色々と訳ありのメンバーが揃っているしな」
「へぇ、訳ありねぇ。お前もそうなのか?」
ふと疑問に思って口に出すが、オズマは小さく肩を竦めて受け流す。
この様子だと、やはりこいつも訳あり組か。
「で、身体測定が終わったら、改めて俺の部下達にお前を紹介する事になる。癖の強い奴が多いが……まぁ、お前と比べるとそうでもないのか」
ニヤリとした笑みを浮かべつつそう告げるオズマだった。
俺自身、自分の特異性については理解しているので、今度は俺が肩を竦めて受け流す。
そんな風に会話をしつつ、あるいはこのフロンティア船団での生活について教えて貰いながら歩き続け、やがて医療区画と思しき場所へと到着し、その中の1室へと入る。
「カナリア、連れてきたぞ」
「ふむ、そいつが新入りか。……なんだ、まだ子供じゃないか」
そう言って俺の方へと視線を向けるのは褐色の肌と赤毛が特徴的な、白衣を身に纏っている30代程の女だ。
「子供っていうか、ルカと同い年だぞ」
「私にしてみれば十分子供だよ」
そんな風に会話を交わしている2人へと声を掛ける。
「アクセル・アルマーだ。今日からS.M.Sで世話になる事になったから、よろしく頼む」
「……まぁ、ここは軍隊じゃないんだし、そこまで階級に拘るつもりも無いが、少し目上の者に対する言葉使いはしっかりとした方がいいんじゃないか?」
あぁ、そう言えば。確かに。元々シャドウミラーが階級は殆ど関係無い組織だったから、その辺を気にしていなかったな。
そんな風に思っていた俺を見ながら、オズマが口元に笑みを浮かべる。
「はっ、こいつにそんな殊勝な口の利き方を求めても無意味だよ。俺にも最初からこんな感じだったからな。まぁ、それにS.M.Sはそれ程規律に厳しい部隊じゃない。やるべき事をやっていれば問題は無いさ」
「まぁ、オズマがそう言うんなら別にいいが……さて、改めて自己紹介をさせて貰うが、カナリア・ベルシュタイン中尉だ。VBのパイロットと衛生兵を兼任している。お前が怪我をしたら私が治療する事もあるかもしれないな。よろしく頼む」
「そうだな、怪我をしたら手間を掛けさせるかもしれないな」
まぁ、俺が怪我をするとしたらだが。
「ほう? 随分と自信があるようだな」
「ま、そりゃそうだろ。色々と訳ありだが、腕は
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