暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マクロスF
0672話
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クセル……って、何だこの状況は」

 どこか呆れた様な声が聞こえ、眠りの底に沈んでいた意識が目覚めてくる。
 目を覚ますと、そこにいたのは呆れた表情をした髭面で強面の男の姿。
 その顔を見て、急速に現在の自分の状況を思い出していく。そうそう、昨日気が付いたらこのフロンティア船団にいたんだよな。
 そう言えばマクロス7船団が舞台の原作タイトルがマクロス7だったのを考えると、ここがマクロスフロンティア船団だから原作はマクロスフロンティアとかになるのか?
 そんな風に考えつつも伸びをしながら起きる。

「んー……ああ、よく寝た。で、そんなに呆れた顔をしてどうしたんだ?」
「呆れた顔っつーかなぁ。この部屋にはこんなに本の類は無かった筈なんだが」

 オズマの視線を追うと、その先にあったのは乱雑に床に置かれている無数の本だ。漫画、小説、雑誌。合計で20冊程度か。そう言えば昨日は結局時間があったから、空間倉庫の中に入っていた雑誌や本を読み直していたんだよな。漫画に関しては基本的に全てネギま世界の物で、俺の嗜好にも合っているし。

「本に関しては、俺の能力を既に知っているだろ?」

 そう言いつつ、ベッドの下の散らかっている本を拾っては空間倉庫の中に入れていく。
 本を片付けつつ視線を部屋の時計へと向けると、既に午前10時を回っている。随分と寝過ごしたらしい。まぁ、本を読んでいて寝るのが遅くなったというのもあるんだが。

「あー……ちょっと待っててくれ」

 本を全て片付け終わると、オズマへとそう告げて歯磨きや顔洗い等の身支度を済ませる。
 一応ここはその辺の事も考えられているのか、きちんと洗面用具も配備されていたのはありがたい。
 そして起き抜けとして冷蔵庫に入っていた林檎ジュースをコップに注ぎ、オズマへと差し出しながら尋ねる。

「で、こんな朝早く……は無いけど、午前中からどうしたんだ?」
「はぁ……ったく、マイペースなガキだぜ。ほらよ、これがお前の身分証になる。無くすなよ」

 そう告げられて差し出されたのは1枚のIDカードだ。どこで撮ったのか、俺の写真まで貼り付けられていた。

「肖像権って言葉はこの世界にないのか?」
「はっ、なら不法侵入って言葉はお前の世界に無いのかよ」
「……」

 まさかそう来るとは思わず、言葉に詰まる。
 そんな俺をしてやったりといった笑みを浮かべつつ眺めていたオズマだが、やがて満足したのだろう。林檎ジュースを飲み干すとそのまま俺を部屋の外へと連れて行く。

「どこに行くのかくらいは聞かせてくれてもいいんじゃないか?」
「ああ、言ってなかったか。お前の身体測定だよ。昨日のやり取りでお前がS.M.Sでやっていくのに十分な実力を持っているのは分かったからな。カナリア……
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