暁 〜小説投稿サイト〜
その魂に祝福を
魔石の時代
第一章
始まりの夜3
[4/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
のだろう。
 みんなが協力してくれる。その事にホッとした。やっぱり光は私達の家族なのだ。
「何度も言うけど、無理はしないで。みんな揃って無事に帰ってきてね」
『……一応確認するが、みんなってのはどっからどこまでだ?』
 桃子の言葉に反応したのは、リブロムだった。
「それはもちろん、なのはと光とそのフェレットさん。あとはリブロム君よ」
『……つまり、オレがこのチビの面倒を見るのは確定なんだな?』
 リブロムが本当に嫌そうに呻く。今日初めて会う彼に、こんなに嫌われている理由がさっぱり分からない。本当に、一体何でなのだろう。
「いいじゃない。っていうか、ここでリブロム君が嫌がってついて行かなかったせいでなのはに何かあったら、光は何て言うかな?」
 言ったのは、美由紀だった。身支度を整えているところを見ると、恭也についていく気なのだろう。と、それはともかく。
 美由紀の言葉に、リブロムの顔が強張った。……ような気がした。本だからよく分からないけれど。
『くぅ……っ! 確かにあのシスコン野郎ならオレまで燃やしかねねえ……ッ!?』
 リブロムが慄いたように後ずさりする。それからしばらく唸り、言った。
『おい、そこのフェレット。いい加減起きろ!』
 言いながら器用に身体を回し、本の角をフェレットの頭にぶつける。途端、悲鳴が上がった。
「ひいいいいッ! 命、命だけはあぁぁああぁぁああっ!」
『やかましい! それはこれからのお前次第だ!』
 目を覚ました途端、凄い勢いでソファの下まで走って行ったフェレットに向かってリブロムが言った。
『いいか。死にたくなければ、オレをこのチビから守れ。で、死ぬ気でこのチビも守っとけ。そうすればオレが相棒に命だけは見逃すように頼んでやる』
 一も二も無く、フェレットが頷いた。一体、光はどれだけこのフェレットを脅かしたのだろう。思わず心配になってしまう。
『よし。忘れるなよ――』
 言ってから、リブロムはふと言葉を切った。
『お前、名前は?』
 そう言えば、今までちゃんと名前を聞いていなかった。
「僕はユーノ。ユーノ・スクライアと言います」
「あ、私はなのは! 高町なのは!」
 フェレット――ユーノの自己紹介に、慌てて答える。
『だあああっ! オマエの事なんて誰も聞いてねえ!』
「何でそんな意地悪ばっかり言うの!?」
 リブロムに詰め寄ると、彼は凄い勢いでユーノの背後に隠れた。本なのに。
『いいか、ユーノ。お前の命はオレが預かる。忘れるな。だから今すぐこのチビをどうにかしろ』
「もう! そんなこと言わなくても大丈夫だってば! 大丈夫だよ、ユーノ君。光お兄ちゃんは本当は優しいんだから」
『テメエはあのシスコン野郎がブチ切れたところを見た事がねえからそんなのんきな事が言えるんだよ! あれ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ