魔石の時代
第一章
始まりの夜3
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のように笑うリブロムに、ムッとした。何か言いかえそうと口を開く。
「そうね。なのはが決めたなら、お母さんは止めないわ。でも、くれぐれも無理はしないで。リブロム君の言う事をよく聞くのよ」
だが、私が何か言う前に、お母さんがそんな事を言った。言って、リブロムを拾い上げ、私に手渡そうとする。途端に、リブロムが叫んだ。
『ぎゃああああああっ!? 何しやがるこのバカ野郎!』
何で私ばっかりこんなに嫌われてるの?――いい加減、そんな疑問を無視できなくなってきた。だが、問い詰めるより先に、今度はお父さんが言った。
「そうだな。正直に言えば、引き留めたいくらいに心配だが……。だが、言い出したら聞かないのは血筋なんだろうな。なのはの事を、任せたぞ。リブロム」
『何でオレがコイツの面倒を見なけりゃならねえんだ!? つーか、まずは娘の方を止めろよ! 普通止めるところだろここは!?』
じたばたと暴れ、お母さんの手を振り切る。……その勢いで顔――だろう、多分――から床に落ちたがそれでもめげずに起き上がってから、リブロムが叫んだ。
『相棒の時と言い、オマエらには危機感ってもんがねえのか!? 危険には近づかないって教わらなかったか!?』
「俺が言うのもなんだが……お前って、ひょっとしたら家で一番の常識人なのかもしれないな。本だけど」
しみじみと、恭也が言った。確かにそうかも、と思わなくもない。もっとも、本当に止められたら、困ってしまうのだけれど。
『しみじみ言ってんじゃねえよ、このバカ野郎! テメエも止めろよ、妹の一大事だろうが!?』
「まぁ、確かにお前の言う事にも一理あるか」
恭也がため息をつく。止められるのかと思って、身構えている私を見やって、もう一度ため息をついてから、恭也はこんな事を言った。
「俺も探してみる。多少は伝手もあるし、あいつからいくらか心得も教わっている。付け焼刃なのは認めるが、相当に異質な代物みたいだからな。おそらく俺にも見つけられるだろう。見つけたら連絡すればいいよな?」
「お兄ちゃんも魔法使えるの?」
伝手と言うのも気になったが――取りあえず、心得について聞いてみる。
「いや、残念だけど俺は魔法は使えないよ。教わったのは、ちょっとした技術だけだ。魔法使いにとってはごく基本的なものらしいけどな。結構便利なんだ」
立ち上がった恭也は、私の頭にポンと手を乗せて笑った。
「くれぐれも無理はするなよ。心配しなくても、その宝石とやらは光がどうにかするだろうし、アイツは……まぁ、俺たちが何とかして連れ戻すさ。アイツには大きな借りもあるし、まだ勝負も付けていないからな。このままいなくなられるのは癪だ」
だから、なのはは危ないと思ったらいつでも辞めていい――そう言うと、恭也は部屋を出て行った。多分、その『伝手』に相談に行った
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