暁 〜小説投稿サイト〜
その魂に祝福を
魔石の時代
第一章
始まりの夜3
[3/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
のように笑うリブロムに、ムッとした。何か言いかえそうと口を開く。
「そうね。なのはが決めたなら、お母さんは止めないわ。でも、くれぐれも無理はしないで。リブロム君の言う事をよく聞くのよ」
 だが、私が何か言う前に、お母さんがそんな事を言った。言って、リブロムを拾い上げ、私に手渡そうとする。途端に、リブロムが叫んだ。
『ぎゃああああああっ!? 何しやがるこのバカ野郎!』
 何で私ばっかりこんなに嫌われてるの?――いい加減、そんな疑問を無視できなくなってきた。だが、問い詰めるより先に、今度はお父さんが言った。
「そうだな。正直に言えば、引き留めたいくらいに心配だが……。だが、言い出したら聞かないのは血筋なんだろうな。なのはの事を、任せたぞ。リブロム」
『何でオレがコイツの面倒を見なけりゃならねえんだ!? つーか、まずは娘の方を止めろよ! 普通止めるところだろここは!?』
 じたばたと暴れ、お母さんの手を振り切る。……その勢いで顔――だろう、多分――から床に落ちたがそれでもめげずに起き上がってから、リブロムが叫んだ。
『相棒の時と言い、オマエらには危機感ってもんがねえのか!? 危険には近づかないって教わらなかったか!?』
「俺が言うのもなんだが……お前って、ひょっとしたら家で一番の常識人なのかもしれないな。本だけど」
 しみじみと、恭也が言った。確かにそうかも、と思わなくもない。もっとも、本当に止められたら、困ってしまうのだけれど。
『しみじみ言ってんじゃねえよ、このバカ野郎! テメエも止めろよ、妹の一大事だろうが!?』
「まぁ、確かにお前の言う事にも一理あるか」
 恭也がため息をつく。止められるのかと思って、身構えている私を見やって、もう一度ため息をついてから、恭也はこんな事を言った。
「俺も探してみる。多少は伝手もあるし、あいつからいくらか心得も教わっている。付け焼刃なのは認めるが、相当に異質な代物みたいだからな。おそらく俺にも見つけられるだろう。見つけたら連絡すればいいよな?」
「お兄ちゃんも魔法使えるの?」
 伝手と言うのも気になったが――取りあえず、心得について聞いてみる。
「いや、残念だけど俺は魔法は使えないよ。教わったのは、ちょっとした技術だけだ。魔法使いにとってはごく基本的なものらしいけどな。結構便利なんだ」
 立ち上がった恭也は、私の頭にポンと手を乗せて笑った。
「くれぐれも無理はするなよ。心配しなくても、その宝石とやらは光がどうにかするだろうし、アイツは……まぁ、俺たちが何とかして連れ戻すさ。アイツには大きな借りもあるし、まだ勝負も付けていないからな。このままいなくなられるのは癪だ」
 だから、なのはは危ないと思ったらいつでも辞めていい――そう言うと、恭也は部屋を出て行った。多分、その『伝手』に相談に行った
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ