暁 〜小説投稿サイト〜
その魂に祝福を
魔石の時代
第一章
始まりの夜3
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みるの」
『お前に相棒が見つけられるかな?』
 途端に、リブロムがまた意地悪を言う。けれど、それは間違っている。
「見つけられるよ! だって、私かくれんぼ得意なんだから!」
 光が私を見つけられなかった事はあっても、私が光を見つけられなかった事はない。
『……それ、ただ単に相棒に忘れられてただけだろ?』
「そんなことないもん!」
 そんなやり取りをしながら、神社を後にする。
「何かあったのかな?」
 そのまま街に戻ると、ちょっとした騒ぎが起こっていた。人々の話に耳を傾けると、どうやら男の人が警察官に襲いかかったらしい。 
「関係あるのかな?」
 その男の人は、連れて行かれる時に妙な事を口走っていたらしい。怪物に襲われた。裸の女に誘われた。と、言ったような。
≪どうかな。ジュエルシードの反応はないみたいだけど……≫
 辺りを見回しながら、ユーノが首を傾げる。確かに、それらしい気配……昨日の夜に感じた妙な感じはしない。
「リブロム君はどう思う?」
 物陰に移動して、鞄の中に問いかける。
『変態が警官にしょっ引かれただけだろ。騒ぐような事じゃねえ。何せ、春だしな』
「私は真面目に聞いてるの!」
 どうにもリブロムはいい加減だ。光の相棒だと言うのに、探す気はないのだろうか。
『相棒が近くにいるなら、今頃ユーノの首が飛んでるんじゃねえか? お前を巻き込んだのは明らかだしよ』
 その言葉に、ユーノが身体を強張らせ、凄い勢いで周りを見回す。
「だからどうしてそんなことばっかり言うの!?」
 ユーノを慰めながら叫ぶ。何か最近叫んでばっかりだ。本当にこの本は……まぁ、意地悪なところは光に似ているかもしれないけれど。ともかく、鞄の隙間からぎょろぎょろと目を動かし、リブロムはこんな事を言った。
『まぁ、真面目な話……。世界の維持――いや、今はそんな大袈裟じゃねえか。まぁ、治安の維持も魔法使いの仕事だってことだな』
 それが、どういう意味なのかこの時は良く分からなかったけれど。



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