新たなる力へ
Trick67_試験を始めます
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内は一度美琴の超電磁砲を思い浮かんだ。
「コインを上に弾き飛ばし、地面に着いた瞬間にスタートです。
準備はいいですか?」
「す、少しお待ちください!」
湾内は深呼吸をする。どうにも落ち着かない深呼吸だが30秒もすると安定し始めた。
彼女は名門である常盤台中学の生徒。この程度のプレッシャーの抑え方も知っている。
むしろ強すぎるプレッシャーから最良の結果を出せてこその常盤台生だ。
「準備はできました」
「ではいきます。レディ!!」
弾かれたコインは空へと向かうが、重力に従い減速、停止、下へ加速する。
キィィーーン
「!!」
湾内は体を前方に傾けた。
昨日、A・T初心者同盟で見つけた≪走る≫のコツ。
地面を蹴るのではなく、軸足に体重を乗せる!
加速を続け、顔に当たる空気の、風の壁。
壁を突き抜けた先にあるゴールを目指して。
「ゴール!!」
佐天が自分の事のように喜んだ。
「信乃様! わたくしのタイムは!?」
「それは後で、です」
「「「「「「え!?」」」」」」
「タイムと、合否発表は全員まとめて行います」
信乃の無表情に、湾内は凍りついた。
「では次、美雪」
「・・・・はい」
「西折様! なぜ合否結果を教えて下さらないのですか!?
わたくし、一生懸命に走りました!
初めて空気の壁に当たり、追い越していく感じを得ました!
不合格ならハッキリと言ってもらえないでしょうか!?」
「合否結果は出ています。でも結果発表は全員まとめて行います。
しばらく待っていてください」
「・・・・はい」
自信はあったのだが、信乃の冷めた態度で不合格であると湾内は思い、
すぐに合否結果を言わない事に不安に感じていた。
納得しないまでも湾内は下がった。
「いくぞ、美雪。レディー」
何事もなかったかのように試験は再開された。
―――――――――――――――――――――――――――
試験は進み、美雪、泡浮、美玲が終了した。
「次、婚后さん」
「は、はい!」
試験は婚后と美琴が残った状態で、次に名指しされたのは婚后だった。
湾内の講義というアクシデントはあったが、それ以外は問題なく進んでいった。
だが、あくまで表面上に出ていなかっただけ。それぞれに蟠りは抱えていた。
おもに湾内と同じ、合否結果を言わない信乃に対する不満と不安。
そして待ち時間に襲ってくるプレッシャー。
いくらプレッシャーに強い常盤台生でも、この待ち時間に襲ってくるソレは
別物であり、簡単に耐えられるものではなかった。
常盤台中学に入学している事は優秀な
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