暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
新たなる力へ
Trick67_試験を始めます
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感性持っているんですから、言われたら怖がっちゃいますよ!」

「それが僕だからね」

≪小烏丸≫の面々が全員(指揮の位置外は除く)揃うのを見るのはチーム結成時から
御坂たちは初めてかもしれない。

そのときは感じなかったが、4人からはオーラを放っているように試験組は感じていた。

オーラの違いを一番に感じたのは、彼らの足元も関係している。


全員がA・Tを装着していたのだ。


ロングブーツは太腿を覆い、ハイヒールのように踵が上がっている。前輪が小さく後輪が大きな佐天のA・T。

スポーツシューズと言うよりは革靴のように見え、前輪後輪の他に足の甲にあるホイールのようなパーツがある黒妻のA・T。

婚后、湾内、泡浮、美雪は始めてみる、踵から腰までの高さまで伸びる大きな刃が付いている宗像のA・T。

全体的なデザインこそ一般的で御坂達と同じだが、両方のホイールは全体的に赤く、その中に白い狐の絵が施されている信乃のA・T。

それを見て、普通のデザインを持つ自分たちがまだ初級の段階にいる事を改めて知らされた。

「では、試験を始めたいと思います」

目線をA・Tから信乃へと変えた。

「3日前に話した通り、100mを一定時間以内に走ってもらいます。
 そして隠していた『一定時間以内』の内容ですが・・・・

 6.5秒です」

『!?』

試験組の全員が息をのんだ。
昨日までの練習で、最速タイムを出したのは御坂美琴の6.8秒。
一番遅いのは湾内の7.3秒。

誰一人として合格レベルのタイムを出す事が出来ていない。
その事実が全員の緊張をさらに大きくさせた。

「「「「「「・・・・・」」」」」」

「どうしました、皆さん?
 あ、弱気になっているならどうぞ言ってください。
 いつでも棄権をお待ちしていますよ」

「「「「「「!?」」」」」」

「信乃さん、ひどい言い方ですね」

「そんなことないですよ、佐天さん。
 私は自分が楽をしたいからって、言っているわけじゃないですよ?」

「その言い方だと、楽をしたいって言っているのと同じじゃねーか」

あちら側の緊張は関係ないとばかりに、≪小烏丸≫は談笑をしている。
でも、実際は皆の緊張を解すためにふざけているのだ。
試験官である信乃も同じ。厳しいルールや条件に見えるが、それでも全力を
出せるかをみたいのだ。

「試験を始めます。まずは湾内さんから」

「!? は、はい!」

全員の中で一番タイムが遅い湾内を指名した。

もちろん、それは偶然ではない。信乃は湾内の記録を知っていて最初に指定していた。

「スタートの合図は≪小烏丸≫流にします」

取りだしたのは1枚のコイン。

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