騎士と武士
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翔の鎧の素早さを生かした高速斬撃を、ムサシは村正で防いていく。
もちろん全ては防ぎきれず、頬や腕に切り傷が生まれ、血が流れる。
「“紅喰らい”!」
それを視界に入れたムサシが叫ぶ。
流れる血は皮膚を伝わず宙を舞い、紅刀へと吸い込まれる。
刀身が輝き、赤みを増し、徐々に切れ味を増していく。
「“斬”!」
「うああっ!」
鋭い一閃。
至近距離で攻防を繰り広げていた為回避出来ず、エルザは痛みに表情を歪める。
その姿が光に包まれ、エルザは“天輪の鎧”へと換装した。
「天輪・循環の剣!」
舞う剣が、回転しながらムサシを狙う。
が、ムサシは慌てる素振りも見せず、ただ静かに村正を構えた。
「村正二刀・・・」
赤い刀身から光が放たれる。
その光は刀へと形を変え、ムサシの左手に収まった。
二刀を構えるムサシは、その場でくるりとターンする。
「“壁斬”!」
ターンしながら、刀を振るう。
目で追えないほどの速度で刀が振られ、循環の剣を叩き落としていく。
結果、剣は1本も当たらずに全て床に突き刺さった。
「当たっていない!?」
「一刀、“斬”!」
「くっ」
ブォオン!と空気を切る音と共に、村正が振るわれる。
それをギリギリで避けながら、右手に持っていた剣でムサシの左肩を斬り付けた。
「“紅喰らい”」
血が宙を舞う。
赤い刀身が輝き、吸い込まれる。
「召喚―――――炎の投曲芸!」
「ヴェルハルト、避けて!」
「グルアアッ!」
“処女宮”フラウの召喚魔法、三日月曲馬団。
それによって、炎に包まれたピンやボール、ナイフがサルディアと、彼女が召喚する飛竜のヴェルハルトへ襲い掛かる。
サルディアの声でヴェルハルトはそれを回避し、サルディア自身もすぐさま回避行動をとった。
「ふぅん・・・召喚系の魔法を使う人って術者が貧弱なコトが多いけど、貴女は違うみたいね?」
「貧弱じゃ、主も守れないからね。こう見えても、打撃系武器の扱いは得意だよ」
打撃系武器―――――所謂“ハンマー”。
サルディアはエルザやクロスのように換装系の魔法を使う訳ではないし、普段持っていると大きいし重いし邪魔なので、装備している事は少ない。今も持っていない。
が、ハンマーは基本的に重い為、それを持つ為のそれなりの力はある方だと自負している。
「フラウちゃん、だっけ。そこ、退く気になってくれた?」
「残念ね。私はここを退く気はないわ。さっきも言ったけど、倒れでもしない限りは」
「そっかぁ・・・それじゃあ、仕方ないね
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