騎士と武士
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線している事に気づいた。
「で?シャロンが殺した2人ってのは誰なんだよ。クロスとクロノ、とか言わねーよな」
「肯定する。クロス殿は兄弟姉妹の中で唯一“正式なカトレーンの人間”であるし、クロノヴァイス殿は愛人の子ではあるが、評議院で隊長を務める立派なお方だから」
そういやアイツ、第一強行検束部隊の隊長だったか、と思い出す。
膨大な書類から逃げるようにギルドに来ては部下に連れ戻される、という光景ばかりを見ている為、どうやっても隊長なんて重要なポジションにいる奴には見えない。
ティアの話では部下から慕われているらしいが・・・。
「・・・ホントに慕われてんのか?アイツ・・・」
「ん?」
「いや、何でもねえ」
思わず呟きが零れた。
小さな声だったが、はっきりと聞こえていたのだろう。
パラゴーネが不思議そうな表情で首を傾げる。
それを適当にはぐらかすと、パラゴーネは先ほどの話を続けた。
「問いはシャロン様が殺害した係累2人は誰か、というモノだったな」
聞かれ、頷く。
塔の外から、鉄同士がぶつかる音やら銃弾が放たれた音や火薬のニオイがする。
そのニオイが嫌なのか、少し顔を顰めるパラゴーネは、2人の名を口にした。
「アスール殿と、セリア嬢」
「・・・誰だ?」
その問いに、パラゴーネは少し答えるのを躊躇う。
が、溜息を1つ吐くと、続けた。
「ティア嬢とクロス殿の御両親、クロノヴァイス殿の父君だ」
「刀が血を吸収している!?」
ムサシの愛刀、妖刀・村正が、赤い刀身を輝かせる。
その輝きが増すにつれ、エルザの斬撃によって流れる血が村正へと漂い、吸収されていく。
「ふぅ・・・まあ、このくらいにしておくか」
「お前・・・」
小さくよろめきながら、ムサシは村正を構える。
元々赤かった刀身は赤みを増し、光を受けて煌めいた。
「オレの妖刀・村正の秘技、“紅喰らい”。所有者の血を吸収する事で効果を発揮する」
「随分危ない手だな。ヘタをすれば出血多量で死ぬ恐れもある」
「だから自分から血を与える事はしない。相手の攻撃を受け、血が流れた時のみ発揮するんだ」
口角が上がる。
黒羽の鎧を纏うエルザが、剣を構えた。
ムサシも村正を構え―――――蹴る。
「!」
エルザは目を見開いた。
ムサシとの距離はそれなりにあったが、一瞬のうちに距離を詰められていたのだ。
(速い!)
村正が横一線に振られるのを視界の片隅に入れ、エルザは“飛翔の鎧”に換装する。
そこから後方へと跳び、村正を回避した。
右脚を床につけ、飛び出す。
「飛翔・音速の爪!」
「“連”!」
飛
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