第二十九話
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「王双殿、お待ちしていました。率直に言いますが、我々を助けてほしいのです」
劉キが言う。
「えっと……話しが見えてこないのですが……」
「これは失礼しました。話しが率直過ぎました。実は、助けてほしいのは私の命が狙われているからです」
………ほぅ。
「それは誰にですか?」
「それは自分の母親である蔡氏と叔父の蔡瑁からです」
そこへ劉ソウが言う。
「私と継母は血が繋がっていません。父親である劉表が亡くなる寸前、継母はさりげなく後継者を劉ソウにと言いましたが父は私を後継者にしました」
「表面上は何も音沙汰は無いのですが、兄上の暗殺を狙っているようです」
「……そこへ自分達が来たので、協力して二人を最悪処刑まで……と?」
二人は無言で頷いた。
「しかし劉ソウ様。貴方にしてみれば絶好の機会のはずですが?」
俺の言葉に劉ソウは苦笑した。
「自分は政治より外に出ている方が好きなんですよ。政治は兄上が好きなので……」
……成る程ね。
「劉ソウ様、最悪処刑は本当に宜しいので?」
「国をより良い方向にするためなら仕方ありません」
劉ソウはそう断言した。
「……分かりました。自分達も協力しましょう」
「おぉ、王双殿ありがとうございます」
劉キが頭を下げる。
「しかし、証拠が無ければ二人を捕らえる事は出来ませんが……」
「それは分かっています。しかし、グズグズとしていれば兄上が毒殺されてしまいます」
「……何か心当たりでも?」
俺は劉キに聞く。
「……食材の中に毒が仕込んであったのが何回もあります」
劉キはそう言った。
「………芝居を打ちましょうか」
「芝居ですか?」
「はい。このように………」
そして、それは実行された。
―――南陽―――
「お嬢様〜。長門さんから連絡が来ています〜」
書簡を携えた七乃が玉座にやって来た。
「分かった。見せてたも」
「はい、どうぞ」
七乃から書簡を渡された美羽は長門からの報告を見た。
「………七乃。荊州の蔡瑁を処刑したみたいじゃ」
「蔡瑁ですか?」
「うむ。どうやら劉キ殿の腹違いの弟……まぁ蔡瑁の妹の子どもじゃな。蔡氏は劉表の妻じゃからな。その子どもを荊州牧をやらそうと劉表キ殿を暗殺しようと考えてたみたいじゃ。それには蔡氏も加わっているみたいじゃのぅ」
書簡を読みながら美羽が言う。
「じゃあ劉キ殿は継母も処刑したんですか?」
「いや、蔡氏は屋敷で幽閉のようじゃな」
「そうですか。ですが、何で私達に報告をしてきたんですか?」
「一応、荊州は
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