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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百三十三話 フェザーン独立
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きた。イゼルローンまで輸送船や工作船を送り込むならハイネセン近辺で建設し運んだ方が安く上がるらしい、工期も短縮出来るようだ」
『良い事尽くめだ、それで? 移動要塞にするのか?』
「帝国軍の運用実績を見てからだ。反乱鎮圧に成功すれば、こちらも移動要塞に変更する事になるだろう」
『まあ妥当な線だな』
「もう分かるだろう。帝国との最前線に移動要塞が有る。それが戦争にどういう影響を与えるか、それを検討しているのだよ」
“なるほど”とレベロが頷いた
『で、どうなると思うんだ?』
「分からん、まだ検討途中だ。色々な意見が出ている」
『……』
うさん臭そうな表情だな、レベロ。だが実際に検討会では統一した見解は出ていない。いや出せずにいるのだ。
収容艦艇は一万六千隻。要塞主砲の威力はイゼルローン要塞主砲に匹敵するとみられている。三百隻を同時に修復可能な整備ドックや一時間で六千本のレーザー核融合ミサイルが生産可能な兵器廠、六万トンもの穀物貯蔵庫、十五万床のベッドを持つ病院。これだけの機能を持つ移動要塞をどう使うか……。
要塞を艦隊の後方に置いて後方支援基地として使うべきという意見や前面に出して積極的に敵艦隊を撃破するのに使うべきだという意見も有る。だがそうなれば帝国も要塞を前面に出すだろう、移動要塞対移動要塞の対決になるに違いない。果たしてコスト面で見合うだけの戦果を得る事が出来るのか? 抑止力として存在するだけで良いのではないか、そういう意見も有る。
分かっている事も有る。機動力を持たないイゼルローン要塞は軍事要塞としての価値は暴落するだろうという事だ。改修しない限り、イゼルローン要塞は軍事要塞としてよりも国際協力都市として使う方が価値が有ると帝国は判断するだろう。ヴァレンシュタインはそれを狙ったのかもしれない。となれば反乱が起きる事も想定していた可能性は有るな、道理で対応が早かったわけだ。
それにしても移動要塞か、とんでもない化け物を生み出してくれた。我々は、いや帝国軍もだが当分はこの化け物をどう扱うかという問題で頭を痛める事になるだろう……。
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